【銀魂】女隊士と愉快な仲間達６９

３２５１話 ページ18

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☆ 坂田side ☆



正直に言ってしまえば、コイツの目から流れ出るそれを止める術など知らない。権利も無ければ、必要も無い。何せ、事情を知らないのだから、そもそも論というやつである。

だが、だとしてもこの雰囲気と空気を察するに、止めた方が良いのだろう。



「･･････っねえ、旦那」

坂田「あ？」

「どうしよう･･･私、わ、たし･･･のせいでっ･･････」



周囲の客は、わざわざこちらを気にするような様子では無く、ファミレスという一つの空間に溶け込んでいる俺達の空気は、半径一メートルでぴったり遮断されていた。

抜け出すのは簡単だ。逃げ出すのは簡単だ。
そんな勇気は存在しないというのに、俺というヤツは。



坂田「･･････受け入れるしか、無ェだろ」



考えに考えた結果、零れた言葉はろくでもない。
励ますのか、宥めるのか、同情するのか、叱るのか。信玄餅の食べ方のように、人によって望んでいるものも違うのだ。そして、様々なパターンがあった中で、選んだそれは見事に不正解だった。

死を受け入れるのは、難しい。
優雅に貴族をやっている人間よりは、経験があると自負している。けれど、正解なんて分からないまま。



坂田「受け入れられなくても、受け入れたくなくても、受け入れるしか、無ェんだよ」



我ながら重厚感のある台詞を吐いてしまった、なんて涙を流す女を前に苦笑していれば、ぐすっと再び鼻水を啜る音が聞こえた。



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