検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:98,300 hit

3206話 ページ21

.



見えた世界は真っ暗闇だった。
夢なのか、と一瞬考えてしまう程に暗くて、身震いした。けれど、ただ単に変な時間に起きてしまっただけだったと気付く。何故なら、少しの動きに反応して終兄さんが近付いて来たからである。灯りを付けてくれたので、特徴的なアフロがしっかりと目に入った。



「おはようございます」



その時間に見合っていないであろう挨拶を何となくしてみると、コクリと頷いた。私が寝てから、ずっと此処で護衛をしてくれていたのだろう。目の下にはクマがある。

「体調はどう?」と尋ねたいのか、身振り手振りの後に体温計を渡してくれたので「私としては、楽になった気がしてます」と言いながら、それを受け取った。

畳の上に置かれた時計に視線をやると、午前二時。既に次の日になってしまっている。正月は生活リズムを崩してダラダラと眠り続けるものだけれど、こんな形は理想形ではない。



「半日、寝てたんですね」



自分に呆れつつ、ピピピと音を鳴らす体温計を脇の下から目の届く範囲に動かすと、三十八度と表示されていた。完璧に下がってはいないものの、四十度前後をひたすら行き来していたので、若干回復していると言える。



「終兄さん、ご飯食べました?」



ふるふると首を横に振るので、もぞもぞと身体を布団から出して「食堂行きましょ」と手を引いた。真夜中に食べるのは、女性として罪悪感しか無いけれども仕方ない。何も食べていないのだから。



「大したものは作れないですけど、良いですか?」



終兄さんは、ぱあっと周りに花を咲かせながら親指を突き立てた。



.

3207話→←3205話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (99 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
151人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 女隊士   
作品ジャンル:ギャグ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

堕天使(プロフ) - 今回のシリアスは、話が話なだけに皆様の反応が心配で心配で、コメントを見るたびに励まされて頑張ろうってなって、なのに更新しないでコメ返もしないで放置して…反省します。これからもハラハラドキドキさせられるように、頑張ります!!!!よろしくお願いします!! (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 要約するとひたすらありがとうでいっぱいです。ありがとうございます。コメントが来る度にちらちら見てました(何故返さない)リクエスト、了解致しました、それこそ遅くなりそうですが気長にお待ちください…(頭抱え) (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 皆様、たくさんのコメントありがとうございます!そして、返信するのが遅すぎて一括でやるはめになってしまって申し訳ございません。一人一人返したいのは山々なのですが、連続で操作すると占ツク自体が重くなりそうなので今回は気持ちだけお家に訪問してるつもりで… (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - 文字数ギリギリの長文失礼しました。 (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - タコおおお!!!名前がない隊士が死ぬのとは訳が違う!死なないでえ!またタコ男も含めた真選組のギャグが見たかったァ!これだけ長い小説だからこそ読者である私達もオリキャラへの愛が生まれて、死んだ時の悲しさが増すんだろうなって思ったよ。続編楽しみにしてる! (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:堕天使 | 作成日時:2018年2月10日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。