【銀魂】女隊士と愉快な仲間達６７

３１７５話 ページ38

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新しい年を迎えるまで、残り二時間を切ったらしい。喜ばしい出来事の筈なのに、一切嬉しくない。これから生きていく中で、ここまで大晦日を満喫しなかった人生など無いだろう。「ハッピーニューイヤー！」なんて騒ぐ気は、ゼロだ。ハッピーじゃ無いのだから。

けれど、だからと言って「ニューイヤー！」とも叫ばない。そもそも叫ぶ気力すら残されていない。残っているのは長くて深い寂しさ。灯りが一つも見当たらず、先が全く分からないトンネルのようだ。この先に野良猫が倒れていようが、幽霊が突進して来ようが、驚きよりも悲しみが勝る。寧ろ今この場に幽霊が現れたなら、どれだけ気持ちが明るくなるか。

そんな事まで考え始めていた。



「･･･死なないでよ」



死んでいるかのように動かない。
なので、死んでいるのかも知れないと錯覚してしまう。
握っているこの手を離したら、僅かに感じるこの温もりすら消えていくのだろうか。温かく感じるのは、ただ私の熱で誤魔化されているだけなのだろうか。



「･･･まだ、やりたい事、言いたい事、あるんだよ」



分かるでしょ。このまま再び涙を流してしまったら、私の身体からは水分が足りなくなるんだよ。もう、泣かせないでよ。
溢れ出した感情を止める術は、知らない。



「ば、かやろ･･･っ」



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