トリプルフェイスは忙しいらしい

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(回想)


安室『知り合いにバレても嫌だろう？だから事故の後遺症で話せないということにしよう。あと前髪はこうしてっと...うん、可愛い』


被せたカツラの前髪が片側にかけて長くなっていたので丁度片目が隠れるようにしてくれた。


ありがとう、安室さん。だけど可愛いは余計だ。


(回想終了)
ーーーーー
コナン「ねぇねぇ、お兄さんって本当に安室さんの弟なの？」


A「...」


コナン「お兄さん？」


A「...(ヘルプ！ヘルプミー！！)」


コナン君の疑いの目と追撃に耐えられず安室さんに必死の眼力で助けを求めるとあの人横向いて誤魔化したけど笑ってたぞ？くそ、イケメンめ。


安室「ごめんね、コナン君。光はちょっと事情があって話せないんだ」


コナン「事情って？」


安室「...昔、事件に巻き込まれてそれからショックで声が出せなくなったんだ」


一気に空気が重くなったぞ。嘘とはいえ罪悪感の目で見られるのは非常に申し訳ないし、バレた時が怖い。


コナン「そうだったんだ...」


哀れみの目やめてください。毛利もそんな心配そうな目で見なくていいから。大丈夫だから、俺の声ピンピンしてるから。


蘭「...光君よろしくね。それにしても安室さんも乗っていたんですね」


安室「えぇ、ネットで上手く競り落とせたんで...それにこの子も乗りたがっていたので取れて良かったです。ね？」


え？そうなん？俺が乗りたかった設定なん？聞いてないぞ？でも兄弟設定だからここは合わせとかないと。同意を求められたからとりあえず頷いといた。


A「...(あー...喋れないのって暇だなぁ)」


すると何かに怯えている一人の少女が目に入った。


A「(コナン君の友達か？コナン君と同じで不思議な雰囲気持ってるな)」


じっとその子を見ていると目が合った。何故か怯えてる様子だったから和らげようと笑いかけたけど視線を逸らされた。ショック。


A「...(うーん...暇だぁ...ん？今通り過ぎた人酷い火傷の跡だな。イケメンなのに勿体ない)」


全身黒づくめの火傷イケメンが通り過ぎるのを見ていたら腕を引かれた。


A「...？」


腕の先を見ると安室さんだった。


A「...(アンタかい)」


安室「そろそろ部屋に戻ろうか」


一通り話し終えたのかコナン君達と別れた安室さんに返事をした。声を出して。


A「了解でーす」


安室「こら、まだ喋らない」


A「あいたっ」


優しく頭を叩かれました。"優しく"ココ非常に大事。

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