そっくりさんいらっしゃい

第二十一話:人も髪の毛も見た目で判断してはいけない ページ25

神楽「Aちゃん！後ろの二人はいいから私だけ助けてヨ！」


A「任せろ...という訳だ、銀...あばよ」


銀時「え...？Aさん...！？」


物凄く愉しそうな(悪どい)顔をしながらAは銀時を蹴り飛ばそうとした。
その後ろの新八は無視して。


新八「ちょっと待てェェ！！なに僕の事無視してくれてんだぁぁぁ...って、ぬわぁぁぁ！！ワン公いっぱい来たァァ！！」


大使館の中から大勢の犬威族が出てきたのを見て神楽を助けようとしていたAは回れ右を通り越して真後ろを向いて逃げ出そうとした。


神楽「Aちゃぁぁん！！」


銀時「あ！お前っ...！ズリぃぞ！！」


新八「そんな事より、助けてェェ！！」


？「手間のかかる奴だ」


A「？(誰だ...？)」


三人の後ろの犬威族を踏み台にして此方に向かってくる僧の恰好をした人物をAは不審そうに見た。


ロン毛(？)の僧「逃げるぞ、銀時」


銀時「おまっ...ヅラ小太郎か！？」


ヅラ・小太郎「ヅラじゃない桂だァァァ！！それと、作者！中黒を入れて西洋感を出すな！！」


銀時「ぶふォ！！」


登場早々銀時へアッパーカットを食らわしたこの僧、余程呼ばれ方が嫌いなのか反応が早い。


A「あいつも作者って...何なんだよ作者って」


そして一人疑問を浮かべるAを他所に知り合いらしい二人の言い合いは進んでいく。


銀時「て...てめっ、久しぶりに会ってアッパーカットはないんじゃないの！？」


ヅラ「そのニックネームで呼ぶのは止めろと何度も言ったはずだ！！...だからその表記は止めろ！！」


A「ヅラ...？あいつあんな長ェ髪なのにヅラなのか？」


一人勘違いしたままのAは二人の行方を静かに見守っていた。いや、ただ巻き込まれるのが面倒臭いだけだった。


銀時「つーか、お前なんでこんな所に...」


ヅラ「！！」


後ろからワッと飛び出してきた犬威族に気付いたヅラはここでは落ち着いて話も出来ないと思い、全員を逃げるように急かした。


ヅラ「話は後だ銀時、行くぞ！！そして俺は寛大だからもう突っ込まないでやろう！」


銀時「チッ...A！逃げるぞ！！」


神楽「銀ちゃん！Aちゃんならもう行っちゃったネ！」


銀時「早ッ！！」


寛大なら言うんじゃねぇよ、というのは置いといて大使館前から走り出した銀時は遥か前方を走るAの後ろ姿に驚いていた。


その姿を見ていた人物が居るとも知らずに。


？「とうとう尻尾出しやがったな」

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