伊達の軍人とブラック本丸 3

第百三話 ページ24

引き継ぎ長谷部side

室内は探してもいなかったので、外に散歩に行っているのだろうと推測する。

｢うーん、庭じゃない？最近僕達が育てた花、いっきに咲いたことすごく喜んでたし｣

｢そうか、じゃあ温室に行くぞ。｣

｢うん！帰るときにバラ持って帰ってパウンドケーキでも作ったげるね。｣

｢！…それは甘いんだろうな？俺にも後で食わせてくれ、主の分も。｣

言っていなかったが本丸の西洋化が進んでいる。

主がこんどてれび…というものを持ってきてくれるらしい。

温室へ向かうと、主が髭切を抱えて歩いているのが見えた。

どうやら花の名前を教えているようで、時折ふわりと笑う姿が美しい。

なかに入ろうとすると、燭台切に袖を引っ張られて止められた。

｢…？おい、早く入るぞ？｣

｢むむむ無理！なんか主と髭切さんいい感じじゃない？主と髭切さんが……ううぅ！！｣

｢じゃあ尚更入って止めろよ！お前はもっと自身を持たないか！｣

主と燭台切の相思相愛ぶりは周知の事実だ。

間に挟まれる俺の気持ちをわかって欲しい。

主は男よりかっこいいし、何より皆から好かれているから不安になるのは分かる、だがこの男は乙女のようにどうして…？(うるうる)と(笑)、センチメンタルよろしくやっているのだ。

ああもう！俺が奪ってやろうか！？

｢あぁ！主が髭切さんにバラあげてる！！何話してんだろ聞こえない！｣

｢そんなはず…おい、抱き合ってるぞ。｣

｢いやぁぁ！近すぎだよ！！待って、あれ、もしかして接吻！？｣

｢主がやるわけがない！おい待て勘違いじゃ…｢ダメーーー！｣…遅かった。｣

燭台切が体当たりしたために温室のドアが壊れた。

換えのネジはあったか…？

主と髭切が驚いて呆然としている…。

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