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「とりあえず来い、手当てしてやる」
土方さんのその一言で、真選組の屯所にお邪魔した。
屯所に向かうまでの車内は、近藤さんが気を遣って色々話しかけてくれたけれど、正直ほとんど何も覚えていない。
完全に私が悪かったのに、車も軽くヘコませてしまったのに、彼らは気にするなと笑った。
「……神楽ちゃん」
「んー？」
「…私、嫌われちゃったかなぁ、」
「……Aはそう思うアルか？」
手当てをしてもらった後、出してもらったお菓子をボリボリと貪る神楽ちゃんに尋ねると、彼女は質問で返した。
「……、」
銀さんが怒ったのは、私のためだった。
私が私を、大事にしてないような言葉を言ってしまったから。
彼は私のためを思って怒ってくれたんだと、本当は分かっていた。
「……私、役に立ちたくて」
「……」
「早く万事屋の皆みたいになりたくて、……っ、」
「……そんなの、分かってるネ」
必死だった。
早く、認められたくて。追いつきたくて。
私でも誰かのためになれるならと、彼らの気持ちも考えずに突っ走ってしまった。
「……Aのことこんなに泣かせるなんて、銀ちゃんは悪い男アルな」
呆れたように笑う神楽ちゃん。
私より年下のはずなのに、背中を優しく撫でる姿はずっと大人に見えた。
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作者名：日向 | 作成日時：2020年10月10日 23時
