人類は衰退しました♪

妖精さんたちの、ちいさながっこう ページ2

里の寄り合いでどこかの誰かがこう言いました。

『やはり子供たちの未来のために学校がいるのではなくって!?』

その発言に幼い子をもつすべての若い母親が賛同してしまったのだそうです。
おかしな話もあったものですね。
絶賛衰退中の人類社会にあって、未来の事なんて過去の議論。

地球最後の教育機関『学舎』が廃校されたのはつい先年の事。

クスノキの里に学校を！

歴史を逆再生するかのようなスローガンは、すぐにも我が調停官事務所にも届けられました。

クスノキの里の人々は調停官事務局を総合クレーム受付センターのようなものと思い込んでいる節がありまして…。
ありとあらゆる問題の対処を迫られるというのは、ありとあらゆる責任をとらされることを意味していそうで正直、イヤンなかんじがしてなりません。


《学者先生方！あなたたちはこの問題についてどう思ってらっしゃるの!?事と次第によっては許しませんわよ！》

なぜこっちが悪いことになっているのでしょうか…？

幸いなことにこの時わたしは別件で事務所をあけておりました。
応対には祖父が出たそうです。
人生の達人である祖父も、最近はすっかり趣味人と化しており、あまり仕事をしてくれません。年でしょうか？
でも今回ばかりは重い腰を上げざるを得ないでしょう。
老化防止のためにも、たまには苦労をすると良いのです。そのはずでした。

祖父【なるほど、あなたのおっしゃることはよくわかりました。その件については担当の者がおりますので彼女にまるっと一任したい。】

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