翠玉を覗く【宜野座伸元夢】 (ページ19)

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お出かけ当日

志恩さんにお化粧もヘアアレンジもしてもらって、いつもと違う自分に少しドキドキする。

志恩「かわい〜♡やっぱり似合うと思ったわ！」

『そ、そうですか…？』

志恩「すっごく可愛いわよ！自信もって、頑張ってらっしゃい♡」

『はいっ…！』

局前で宜野座さんを待つ。

ちょっとそわそわしちゃう。

志恩さんはああ言ってくれたけど変じゃないかな…？

何度もガラスに写った自分の姿を確認する。

すると1台の車が前で止まった。

伸元「悪いA、待ったか？」

車から宜野座さんが降りてくる。

悪い、待ったかなんて、本物の恋人同士の会話みたい。

なんて、考えてしまう。

『いえ！少し早めに来てしまっただけなので！』

伸元「それならいいんだ。…服、似合ってるじゃないか。髪型も。」

すごく自然に褒めてくれて、鼓動が高鳴る。

けど、やっぱり宜野座さんモテてるんだろうな。

だからこういうこと言ってくれるんだ。

チクリ

胸の奥が痛んだ。

ドキドキして見れてなかったけど、宜野座さんの服装も素敵だった。

黒のスキニーに薄い緑のカーディガン。

シンプルな服装なのに、こんなにも素敵に見えるのはきっと彼自身が綺麗な人だからだろう。

下から目線を上げていくと、あの綺麗な翠の瞳と目が合った。

瞬きをすると豊かな睫毛が翠を隠す。

綺麗。

伸元「ん、A？どうした？」

しまった、見蕩れすぎた。

『な、なんでもありません！！』

なんて誤魔化しが効くのは宜野座さんくらいだろう。

彼が鈍感で助かった。

伸元「ならいいんだが…じゃあ、行こうか。」

『はい！』

静かな車内で自分の心音が伝わってしまう気がした。