【刀剣乱舞】おいでませ、二世殿。 (ページ1)

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『あー、うん。ごめん、聞いてない。』

そういいながらも渡された紙にざっと目を通す。

“ブラック本丸”ってことは知ってたよ?

でも私で11人目とか

なにそれ聞いてない。

他の人達は一体どうなったの?

「審神者様‼ご心配なされるな、何かありましたらこの短刀をお使いください!

特別に、と政府からの支給品でございます!」

こんのすけから渡されたその短刀は“支給品”という物にしては凄く綺麗なものだった。

白い柄に綺麗に彫られた青の花。

『この白い短刀が血に染まらない事を祈るよ。』

嫌味を込めてこんのすけに伝えるとこんのすけはしゅん、と耳と尻尾を垂らした。

「は、はい…私もそんな物は一時しのぎにしかならないとは分かっております…

しかし上は取り合ってくれずに…」

『はいはい分かったよ。ごめんね、大丈夫だよ。』

まあさっき見送ってくれた審神者達の話でも「政府はケチだ」とか「適当だ」なんて声は上がっていた。

こんのすけが悪いわけではないのは分かっている。

こんのすけの頭をポンポンと撫でるとこんのすけはもう一度“すいません”と呟いた。

『さてさて此処が例のブラック本丸…』

「先程の紙にも書いてあった通り、この本丸は一、二を争う戦力を持っているので大変危険でございます。

しかしながらこの本丸は審神者様の…」

『そうだね…私の母の本丸だ。ブラック本丸なんて肩書は私の世代でピリオドを打ってあげるよ。』

「こ、心強いです審神者様‼」

ぴょんぴょんと跳ねるこんのすけを横目に

心の中では「どうしよう」という思いでいっぱいだった。

話を聞いてもらえるとは限らない。
扉を開けた瞬間首ちょんぱの可能性だって十分にある…

『はぁ…気分悪い…』

「大丈夫ですか!?」

これだけ死亡フラグ立ってるのに気分悪くならない人間なんていない。

『お邪魔します。』

すっと軽く息を吸い込んで、その扉を開けた。