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抱擁side
き、れい。おんなの、ひと。
ここに囚われて、数ヶ月経って、ご主人様の召使いさん以外のおんなのひと。
ああ、おいしい。
にんげんの血は、おいしいのと、おいしくないのがいる。
このひとのは、とってもおいしい！
1滴だけでも十分。
だけれど、お城まで飛んでけるかっていったら、そうじゃない。
うわわっ！
くさり、はずれた……？
でも、にげれない。かぎ、あいてない。
くさり、わたす。きれいなひとに。
ああ！引っ張らないで！
痛い！出たくない！助けて！！
チャリーン……ガキィンッ!!
くさりとくさりのぶつかる音。
檻の前にいた、偽物のご主人様が階段のほうにふっとんでいく。
あの人、どこからでてきたの？
ゆらぁっと、蛇みたいに。
音もなく。
1つの劇を観ているみたいだった！
かっこいい！すごい！！
一気に全部倒しちゃった！
おんなのひとが、鍵をつかって扉を開けてくれる。
先に出た流浪がぼくを見てる。
出ないの？って言ってる。
出たい。出たいよ。
だけど、ぼくは外の世界に行きたいからって、伯爵さまの許可を取らずに出たんだ。
無断で流浪の手もひっぱった。
久しぶりに出たから、右も左もわからなくて、気づいたらここにいた。
怒られる、怒られちゃう。また閉じ込められちゃう！
『一緒に行こ？私が事情を説明してあげるから大丈夫！』
まっしろな手が、僕の目の前に出てくる。
その手はさっきまでぼくが血を吸っていた手。
ぼくの手のひらをそこに当てて。
ぽわっとあったかい光が出てきて、傷を治す。
「抱擁、行くよ」
「ん！」
ねぇ。助けてくれてありがとう。
着いたら起こしてあげるから、目をとじて、まってて？
______________
「抱擁？服あった？」
〔ご主人様の部屋の金庫にありましたが、簡単に取れました〕
「もう亡き者なんだからそう呼ばなくていいでしょ。
ヘイ、パス！」
〔この方、眠らせちゃって良かったんですか？〕
「人間が運ぶより、逆の方が遥かに速いし。
古城なんて歩いて行ったら1週間はかかるんだよ？
伯爵に会う前に起こしてあげて」
〔勿論〕
「元はと言えば君が外に出なければ起こらなかった事。
だけど、出た事によって得た物もあった」
〔きっと彼も喜んでくれるはずです〕
捧げ物が生娘だなんて知ったら、どんな反応するだろうね？
と、口角を上げながら黒くて大きな翼を広げる彼。
呪文を唱えて浮き上がってから、女性を抱きかかえて僕達の住処へ、いざ行かん。
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白狐-bilyakko-(プロフ) - 【湖の宝石】さん» でも、読んでて楽しかったです！それだけは正直に言います！ (2021年9月23日 18時) (
レス) @page4 id: df3d8cbea7 (このIDを非表示/違反報告)
白狐-bilyakko-(プロフ) - 【湖の宝石】さん» 前作でコメント返せなくてごめんなさい！まぁ、あの、理由があって返さなかったんですけれども(^_^;) 決して反応楽しんでたとかそんなんじゃないですからね！？ あと、迷推理ではなく名推理です！これからもどうぞよろしくお願い致します！m(__)m (2021年9月23日 18時) (レス) @page4 id: df3d8cbea7 (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - なるほど…登場した人達がわかってスッキリしました。時々正解しててちょっと喜んでる自分がいますw 更新頑張ってください (2021年9月23日 18時) (レス) @page2 id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐-bilyakko- | 作成日時：2021年9月22日 21時
