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『わっ、とと……』
火傷痕の目立つ男の手がパサリとフードをめくる。
その時にぱちりと目が合ったので少しはにかんでみた。
「ねぇ……」
『ん？なぁに？』
「君の、血を、頂戴？」
『えっ？なんて？』
耳にした言葉が信じられなくてもう一度聞き返す。
私の、血が欲しい。うん。そっか。
……え？
『えっと、一応聞きたいんだけど、血を摂る事で何か利害は発生する？』
「血を摂らないと、魔力が回復しない。ここから出る時、飛べない」
ふーん…飛べるのかぁ。
私の手で運べるのは多分1人が限界。だから、どっちかが自分で動いてもらわなきゃいけない。
うん、まぁ、大丈夫でしょ！
『分かった！いいよ！えっと、奥の子も？』
「ん…」
「彼、話せないの。でも、彼はあと少しで魔力が回復するから、彼を優先したい。…良い？」
『勿論！ちょっと待っててね！』
手提げから短刀を取り出して鞘から抜く。
刃の先が手のひらを切っ裂いて、プシッ！と吹き出す鮮血。
『切りすぎちゃったかも……へへ、これでいい？』
口を縫った男の方に血の流れ落ちる指先を近づければ、匂いを嗅いでから口先をくっつけた。
『君は大丈夫？』
「えっ、え、僕？」
目を閉じてこくこくと飲んでいく男を見てか、生唾を飲み込んだのを私は見逃さなかった。
「えっと、手からじゃなくて、君の、その……首というか肩というか……」
『部位違いってことね？じゃあ、左肩を近づけるからそこからでいい？檻越しでごめんね』
両膝をくっつけて前屈みになる。
鋭い爪のついた手が肩を掴んで食い込むのが分かった。
「いただき、ます……」
鎖が動いて、口も動いたその瞬間。
バーンッッッ!!
上の方で盛大な音がした。
怒号と複数名の足音。
私は腰に装備していた拳銃で檻の中の石壁と鎖、鎖と足枷の繋ぎ目を撃って断ち切った。
音に反応して2人が飛び退くが、やる事が分かったのか切れた長い鎖2本をこちらに渡してくれた。
『Shhh…いい子にしててね？』
擦れて音が出ぬように腰に巻き付けて奥の方に隠れた直後、石段をドタドタと降りて来た男達。
恐らく所有者。
「おい、奥の吸血鬼を連れてこい！むしゃくしゃする！早くしろ！！」
「了解しました。……だっ、旦那様！大変です！鎖が切れて無くなっています！」
「なんだと？ええい、なんでもいいから早く連れ出せ！」
真っ赤になっちゃって悪魔みたいよ？
まぁ、今からその面は何で染まるのかしらね？
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白狐-bilyakko-(プロフ) - 【湖の宝石】さん» でも、読んでて楽しかったです！それだけは正直に言います！ (2021年9月23日 18時) (
レス) @page4 id: df3d8cbea7 (このIDを非表示/違反報告)
白狐-bilyakko-(プロフ) - 【湖の宝石】さん» 前作でコメント返せなくてごめんなさい！まぁ、あの、理由があって返さなかったんですけれども(^_^;) 決して反応楽しんでたとかそんなんじゃないですからね！？ あと、迷推理ではなく名推理です！これからもどうぞよろしくお願い致します！m(__)m (2021年9月23日 18時) (レス) @page4 id: df3d8cbea7 (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - なるほど…登場した人達がわかってスッキリしました。時々正解しててちょっと喜んでる自分がいますw 更新頑張ってください (2021年9月23日 18時) (レス) @page2 id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐-bilyakko- | 作成日時：2021年9月22日 21時
