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夜行side
『もう。これはあついあついだよ？丸焦げになっちゃうから離れてて』
「ﾋﾟｭｰｲ?」
『こーら！翼で触ろうとしないの！燃えちゃうよ！』
ランタンに火を灯そうとする彼女と、マッチで火をつける音に反応して触ろうとする相棒。
うーん…面白いものを使っているけど、あんな物がないと火がつけられないなんて、なんだか可笑しいな。
まぁ、”マッチ”という物も、彼女に教えられて初めて知ったのだけれど。
「出来上がったよ。こっちおいで」
灯りの灯ったランタンを手に長椅子に座った彼女の手に、紺色のマグカップを渡す。
『あッ、づ！』
ああ、君は猫舌なのだから。よく冷ましてからにしないと、と言い聞かせているというのに。
ふーっ、ふーっと口をすぼめて息を吐き出すその姿は昔と変わらない。
人の時間の流れはなんて速いんだろうか。
まだこの子も昨日までは私の足元で蹲って泣いていたというのに。
『ねぇ今、変なこと考えてたでしょ』
「……人が成長する速さはとっても速いなって思っていただけさ」
『まーたそう言う。私はもう子供じゃないって何度言ったら分かるの？』
君がこの辺りに迷い込んできた頃、目にいっぱいの涙を溜めて月下に背負われて君は来た。
魔管以外の人間が、しかも依頼もなしに来るのは初めてのことだった。
いや、そこにいたのは成熟しきった人間じゃない。
未熟すぎた【子供】だった。
初めて見る生き物に私達は目を丸くした。
わあっと取り囲んで皆で一斉にその子を眺めた。中には敵意を剥き出しにしている者もいたけれど、大半が好奇の目で見つめたんだ。
［わぁ！これが人間の子供！？ほっぺた柔らかくて可愛いーっ！］
［なんでそんなばっちい物拾ってきたんです］
［私だって努力したさ！でも何度外に放っても戻ってくるし、言い聞かせても分からないのか聞かないし、終いには泣き出すしで……。もう嫌になったから連れて来たのさ］
住人達が問答を繰り返す中、私は静かにその子を抱き上げた。
安眠出来るように軽く体を揺らせば、力が抜けたのか、こてんっとなって眠ってしまった。
何故そのような事が咄嗟に出来たのかは分からない。
子供を持ったことも番ったこともないのに。
それからどうしたんだっけ。子供を誰が育てるかという話になったのだっけ？
顔と名前を覚えて貰えるように、代わりばんこにお世話をしたような気もする。
今思えば、あのまま故郷に彼女を連れ去ってもよかったのだ。
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白狐-bilyakko-(プロフ) - 【湖の宝石】さん» でも、読んでて楽しかったです！それだけは正直に言います！ (2021年9月23日 18時) (
レス) @page4 id: df3d8cbea7 (このIDを非表示/違反報告)
白狐-bilyakko-(プロフ) - 【湖の宝石】さん» 前作でコメント返せなくてごめんなさい！まぁ、あの、理由があって返さなかったんですけれども(^_^;) 決して反応楽しんでたとかそんなんじゃないですからね！？ あと、迷推理ではなく名推理です！これからもどうぞよろしくお願い致します！m(__)m (2021年9月23日 18時) (レス) @page4 id: df3d8cbea7 (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - なるほど…登場した人達がわかってスッキリしました。時々正解しててちょっと喜んでる自分がいますw 更新頑張ってください (2021年9月23日 18時) (レス) @page2 id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐-bilyakko- | 作成日時：2021年9月22日 21時
