死なせてくれない死神さん

四話　琥珀色の軍医 ページ18

「ｶﾊｯ､､､､ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ､､､」


また失敗。軍医の権限を利用して、即死しようと毒を飲む。


だが、毒の耐性ができてしまったため、即死できないのだ。


大きな音がなり、火薬の臭いが漂った。


そう、今は戦時中。


「､､､､､あ。そっか。何で気がつかなかったんだろ。」


私はナイフと爆薬、拳銃を持って基地を出た。


敵の基地まで近づいて爆薬を設置すると、いつの間にか女の子が立っていた。


「貴女は死にたいの？」


「死にたくなかったら、こんなことしませんよ。」


女の子は寂しそうに問いかけた。


「どうして死にたいんですか？」


私はたんたんと答えた。


「疲れたんですよね。軍医なんで結構死体とか見ますし。

　殺してくれって懇願しながら死んでいったり。」


爆薬の準備が整った。この拳銃の引き金を引けばすべてが終わる。


「あなたも、逃げた方がいいですよ。」


女の子は、空気に溶け込むように消えていった。


「さよならだ、人類。」


大きな音がなり、血肉がやけつく臭いがした。


その戦争は、大きな爆発によって終戦した。


幹部の死と引き換えに。





「また、死んじゃった､､､､､。」


わたしに、死ぬことが確定した人を生かす能力は無い。


どうやっても、助けられないとわかっていても悲しくなる。


悲しい死に方をする人を見ると、死ぬのが怖くなる。


あんなに勇気のある人が死ぬと、なんか、こう、、、


「劣等感ってこういうことを指すんだね、、、、。」

五話　橙色の参謀総長→←三話　空色の社畜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す