死なせてくれない死神さん

最終話　街の噂 ページ12

ある日の夕方、中学生二人がビルの屋上で話をしていた。


二人はいじめを止めたが逆効果、被害者は加害者側に寝返り、


毎日のように虐められるようになった。


「ちゃんと飛べるかな。」


「何よ、怖いの？良いのよ死にたくないなら飛ばなくても。」


「いや、ここの街の噂知らないの？
　
　数十年前に自 殺による死者がゼロになった年が続いた事があって、
　
　その時、自 殺する人を一人の死神が止めたって話。

　その死神は、何回転生しても死神になってるんじゃないかって言われてるんだよ？

　もし止められたら､､､､。」


一人は弱気に話した。


もう一人は全く信じていないような様子で言い返した。


「そんなの噂に過ぎないわ。本当にいるなら出てきなさいよ！」


フェンスの外で網をしっかりと掴んだまま、ビルの下に広がる街に、真っ青な空に


少女は叫んだ。出てきて見ろよと強気に。





少女のこだまする声が消えた。


「ほらね、死神なんて所詮噂に過ぎないのよ。怖いなら飛ばなくて良いわよ？」


少女は金網を掴んでいる手を離そうとした。







紫色のパーカーにスーツのジャケットを羽織り、黒いハーフパンツを着ている、


黒髪ショートに赤目の少女､ルカが、二人の少女の前に現れる。


明らかに宙に浮いていて、大きな鎌を持っている。




ルカは二人を少し見つめ、口を開いた。









「わざわざ呼びかけてくれるなんて、そんなに助けて欲しかったの？
　
　それとも、速く殺してほしかった？」



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