死なせてくれない死神さん

八話　「死神だから」？ ページ8

みんな死んでくれない。


私は昔から嫌われていたけども。死ぬ時ぐらい一緒に死んでよ。


ひとりにしないで。私を嫌わないで。


死神だからって全部我慢できるわけじゃないんだよ。


言いっぱなしにしないで、私の言い分も聞いて。


こっち見てよ。みんな生きてる。幸せそうに笑ってる。


羨ましくなんかないよ、だって元々幸せになれないんだもの。そういう運命って受け入れられる。


でも、お願いだから死ぬ時くらい一緒にいて。最期くらい優しくしてよ。


みんなが死のうとした時、私は止めに行ったのに、私の時は誰も来てくれないの？


「寂しいよ､､､､､､‼」


涙が頬を伝って、冷たいコンクリートに落ちていく。雨と共に落ちていく。


私の仕事は人を死へと導くこと。情報が勝手に入って来るから助けるのは簡単だった。




どこで入手したかわからない薬を飲む。嘔吐剤もあったが最近何も口に入れてなかったから出てくるのは胃液。喉が焼けるように熱い。目眩と頭痛で地面に倒れ込んでしまった。

私、たくさんの人を助けたんだよ。でもね、私は1人、どうしても助けられない人がいるの。






それは、私。



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