ろく。 ページ7
◇
「Aちゃん、良かったら元の世界に戻るまでうちで働いてくれないかな？」
『え？』
「実はおじさんにもAちゃんと同じ歳くらいの娘がいてね。だからかな、Aちゃんのことを放っておけなくて。もちろんお給料も渡すし……どうかな？」
『……おじさん、いい人過ぎてオレオレ詐欺とか変なのに引っかかりそうだから帰るまで私が守ってあげます』
Aが微笑みながらおじさんの好意に甘えることにすると、おじさんは花が咲いたようなを満面の笑みを浮かべる。
「うんうんっ、おじさんなんでか昔からそういうのに引っかかっちゃってね！ あ、このお店の2階がおじさんの家で一部屋空いてるからそこをAちゃんの部屋にしようね」
『ありがとうございます、お世話になります』
「そうと決まればAちゃんの物を用意しなきゃね！ ベッドはやっぱり天蓋付きのがいい？ カーテンはピンクかな、女の子の部屋だからうんと可愛くしたいとこだよね」
『普通でいいです』
「そう？ 遠慮しなくていいんだよ」
Aは遠慮などではなく本心しか言っていない。
このおじさんに任せていたらあっという間に部屋がラブリーになりそうで、それだけは阻止したいところだ。
『あとお店の看板、あれはどうかと思います』
「えっ、おじさんの最高傑作だよ？」
Aがこのお店に入る時に見た看板。
そこには【ぱてぃすりぃ さとぅ〜】と書かれていた。
あまりのセンスのなさに一瞬入るのを躊躇ったほどだ。
『お店の名前は確かに大切です。だからってインパクト強すぎるのはどうかと。あとこの際言っておきますがおじさんのその格好も……正直しんどいです』
「ええっ！？ ケーキ屋さんといえばフリフリのメイド服の店員さんじゃないの？」
『誰情報ですかそれ』
「そっかぁ……おじさん張り切り過ぎて空回りしてたんだね……。Aちゃん、教えてくれてありがとう！ おじさんちょっと作戦会議してるから2階で休んでてくれるかな。階段上って右の部屋を使ってね」
『はい、ありがとうございます』
◇◆◇◆
『わあ……』
階段を上って右の部屋の扉を開けたAは思わず声をあげた。
それもそのはず、Aの目の前には何ヶ月ぶりの畳があった。
『この匂い、懐かしい……』
横になって畳に頬をつける。
懐かしい匂いにAは次第に目を閉じた。
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ここ(プロフ) - れいなそんさん» れいなそんさん、コメントありがとうございます^ ^更新が不定期で申し訳ありません…！本日更新いたしましたので楽しんでいただけると嬉しいです。 (2021年6月20日 9時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
れいなそん - ｱｯ神作やぁ…一体誰が呼んだんだろ…続きが気になるんじゃ (2021年6月20日 8時) (レス) id: 509e7f7d74 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、面白いと言ってくださりありがとうございます。一体誰が呼んだんでしょうか…？次の更新をお楽しみにです^ ^ (2021年5月7日 7時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - めっちゃ面白いです！一体誰が呼んだんだ？？気になる…！！ (2021年5月6日 23時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 雪見大福さん» 雪見大福さんコメントありがとうございます！さてさて、一体誰でしょうね？？^ ^ (2021年5月4日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2020年12月17日 13時
