さんじゅうはち。 ページ39
◇
『お妙さんに悪いけど、ダークマター料理を食べる勇気はないかな』
これからこの家で起きる悲劇(？)を想像しつつ、Aは帰り路につくのだった。
その晩、夕飯を食べ終わりお風呂も終わったAが部屋に戻るとスマホが震えた。
スマホの画面にはセベクの文字。
Aは通話ボタンを押し、スマホを耳に近づけたのだが
「ニンゲン！ 貴様、いつになったら戻ってくるんだ！！」
『ちょ、セベク声大きすぎて音割れてるっ』
耳元で聞こえてきたセベクの大声にAはスマホを遠ざけた。
「若様が寂しそうにしているんだ、さっさと帰ってこい」
『はいはい、そのうちね。あ、そうだ。今日リリア先輩のダークマターを思い出したよ』
「は？ リリア様のダークマター？ 何を言っているんだ、お前は」
『詳しくは帰ってから話すよ。それじゃ、おやすみ』
「ま、待て！ まだ数分しか話していないじゃないか、もっと話を……！！」
セベクがまだ何か言っているが、Aはぶつっ、と通話終了ボタンを押す。
『ふぅ、今日も疲れた。おやすみ…………』
スマホを握りしめたまま、仰向けで布団の上に倒れ込んだAは、すぐにすやすやと夢の中に入っていくのだった。
◇◆◇◆
「お姉さーん、注文いいー？」
『はーい、少々お待ちくださいね』
パティスリー佐藤は今日も大繁盛。
イートインスペースから声が掛かり、Aは対応していたお客さんにケーキの入った箱を渡し、そちらに向かった。
『お待たせいたしました』
「お姉さん、このシュークリームってやつ追加で」
『かしこまりました。おいくつ追加いたしましょうか』
「んー、とりあえず100個」
『100個……！？』
予想外の追加の数にAは思わず接客モードで張り付けていた笑顔を崩した。
目の前にいるこのお客さんが100個と言ったのは自分の聞き間違いだろうか。
『10個ではなく、100個ですか……？』
「うん、100個。早く持ってきて」
笑顔で言うお客さんにAの貼り付け直した笑顔が思わず引き攣った。
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ここ(プロフ) - れいなそんさん» れいなそんさん、コメントありがとうございます^ ^更新が不定期で申し訳ありません…！本日更新いたしましたので楽しんでいただけると嬉しいです。 (2021年6月20日 9時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
れいなそん - ｱｯ神作やぁ…一体誰が呼んだんだろ…続きが気になるんじゃ (2021年6月20日 8時) (レス) id: 509e7f7d74 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、面白いと言ってくださりありがとうございます。一体誰が呼んだんでしょうか…？次の更新をお楽しみにです^ ^ (2021年5月7日 7時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - めっちゃ面白いです！一体誰が呼んだんだ？？気になる…！！ (2021年5月6日 23時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 雪見大福さん» 雪見大福さんコメントありがとうございます！さてさて、一体誰でしょうね？？^ ^ (2021年5月4日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2020年12月17日 13時
