24.強さ ページ24
YOU side
「ナナミン、正しい死ってなんだろう」
虎杖くんが回復した後、廊下を歩いていると虎杖くんのそんな声が聞こえた。
会話的にそこには建人さんもいるのだろう。
私は思わず物陰に隠れた。
「そんなことを私にだって分かりませんよ。善人が安らかに悪人が罰を受け死ぬことが正しいとしても、世の中の多くの人は善人でも悪人でもない」
建人さんのその言葉になんだか心にくる。
善人でも、悪人でもない。
虎杖くんはその人たち全員の死を正しい方向に導こうとしている。私も昔はそうだった。でも……
私は明らかに善人だった親友を自分の手で殺してしまった。
呪術界で見れば私の親友は明らかに危険要素でしか無くて、私の行動は正しかった。そう色んな人に言われる。
でも、私は私が許せない。
何のために今生きてるの?そう聞かれても私は答えられない。
……この場にいたらダメだ。涙が出てしまいそうになる。私がそう思ってその場から立ち去ろうとした時、虎杖くんが「俺は…」と言葉を発して思わず足がピタッと止まった。
「確かに全員を正しい死に導くことは難しいかもしれないし、正しい死が何かもわからない。でも、今回Aさんか俺を助けるために瓦礫の下になった時、俺は真人はもちろんだけど俺自身に怒りが湧いてしょうがなかった。……俺はもっと強くなりたい。大事な人達を守るために。」
虎杖くんは真っ直ぐ過ぎる。この曲がった呪術界の中ではあまりにも。
「……そうですね。これからは君を必要とする人たちがたくさん現れます。実際今回私もそうでした。……君はもう呪術師なんですから」
それでも、そのまっすぐさを貫ける強さを持つ彼を私は応援したい。
『私ももうそろそろ立ち直らないとな……』
そう呟き、私はその場を離れ悟さんの元を訪れた。
『悟さん、稽古つけてください』
「A。自分から言ってくるなんて珍しいじゃん。もちろん」
私も自分を貫けるくらい強くなる。
Aが立ち去った後、虎杖と一緒に廊下にまだいた七海はフーーッと息を吐いた。
「どったの?ナナミン」
「多分今の会話Aさんが聞いてました」
「マジで!???」
驚く虎杖。そして七海はまた言葉を続けた。
「虎杖くん。Aさんを守ってあげてくださいね」
「お、おう。俺が守れるかわからないけど………ナナミンって結構Aさんに対して過保護だよな」
「ひっぱたきますよ」
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みかん大福(プロフ) - 麗華さん» 麗華さん、リクエストありがとうございます!そして、返信遅くなってしまって本当に申し訳ないです!ぜひ書かせて下さい! (3月26日 14時) (レス) id: c872eeaaf1 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - お話と設定がすごく好きです!リクエストなのですが…九十九由基さんとの絡みをやって頂きたいです! (8月11日 1時) (レス) @page44 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大福(プロフ) - ナミさん» ナミさん、リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (8月6日 12時) (レス) @page44 id: c872eeaaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - すごく面白いです!リクエスト(?)なのですが2年生との絡みをもっとやってほしいです!できれば乙骨先輩もみたいです…。これからも更新頑張ってください! (7月26日 19時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大福(プロフ) - しろりんさん» しろりん様、ご指摘ありがとうございます……!!全て修正させていただきました!本当に助かります!!嬉しいお言葉まで……!本当にありがとうございます🥰 (2022年9月14日 22時) (レス) id: d2d3b923b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん大福 | 作成日時:2022年7月3日 16時