21.人間 ページ21
七海 side
伊地知くんから連絡を受けて帳の中に入った。
するとそこには崩れた大量の瓦礫と至る所から血を出しながら戦っている虎杖くんがいた。
その虎杖くんはいつもと何か様子が違う。
今すぐ加勢しなくては、そう考えて呪霊に近づくと、
「っ……??」
明らかに濃いAさんの呪力を感じた。これはAさんの領域展開だ。
ということはここにAさんがいたということだ。じゃあ、何で今虎杖くんがこんな状況なのにいない?まだ強力な呪霊がいるのか??
そう頭の中でぐるぐると考えていると、呪いが虎杖くんの背後をとった。考えるのは今じゃない。
「ナナミン…!!?」
「説教は後です、Aさんは今どこに?」
私がそう聞くと虎杖くんの喉の奥がヒュっとなった。そしてその目線の先には瓦礫の山。
まさか、とは思っていたがそのまさかなのだろうか……
Aさんがあの下に??
昔確か一回同じようなことがあった。その時は五条さんと夏油さんがいて、瓦礫が落ちてくる寸前にAさんを助けられた。あの時の五条さんと夏油さんほど焦っている2人を見たことがない。
ということは、いくら特級のAさんでも呪霊や呪力の前以外では普通の人間だということだ。
普通の人間はこんな大きな瓦礫の山の下になったら死んでしまう。
「守れなかった……Aさんを……俺のせいで……!!」
そう言う虎杖くんはさっきの勇ましい様子なんて嘘のように消え、今にも泣き出しそうな顔だった。
私は虎杖くんの両肩に両手を乗せた。
「虎杖くん。Aさんがそんなに簡単にやられると思いますか?あの五条さんと夏油さんの愛弟子ですよ?」
「でも、」
「でもじゃないです。君に今できることはなんですか?するべきことはなんですか?」
そういうと虎杖くんは唇を噛み締めた。そして
「あいつを祓う」
そうだ。今できることはあの呪霊を祓うこと。
私も嫌な予感がしないわけではない。さっき言った事件を知ってしまってるから。でも、信じたくない。もしも嫌な予感が当たってしまって、彼女にもしもの方があったらだなんて考えたくない。
彼女は能力的にも貴重な人材であり、このクソな呪術界での数少ない、俗に言えば癒しの存在なのだから。
「ここで絶対に祓いますよ」
「おう」
「はぁ…」
そう意気込んだはいいものの
「領域展開、自閉円頓裹」
私も所詮ただの人間であった
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みかん大福(プロフ) - 麗華さん» 麗華さん、リクエストありがとうございます!そして、返信遅くなってしまって本当に申し訳ないです!ぜひ書かせて下さい! (3月26日 14時) (レス) id: c872eeaaf1 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - お話と設定がすごく好きです!リクエストなのですが…九十九由基さんとの絡みをやって頂きたいです! (8月11日 1時) (レス) @page44 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大福(プロフ) - ナミさん» ナミさん、リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (8月6日 12時) (レス) @page44 id: c872eeaaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - すごく面白いです!リクエスト(?)なのですが2年生との絡みをもっとやってほしいです!できれば乙骨先輩もみたいです…。これからも更新頑張ってください! (7月26日 19時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大福(プロフ) - しろりんさん» しろりん様、ご指摘ありがとうございます……!!全て修正させていただきました!本当に助かります!!嬉しいお言葉まで……!本当にありがとうございます🥰 (2022年9月14日 22時) (レス) id: d2d3b923b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん大福 | 作成日時:2022年7月3日 16時