19.私はできる子 ページ19
YOU side
「順平って君が馬鹿にしている人間の、その次位には馬鹿だから」
『感動の場面なんだから邪魔しないの』
泣いている男子の後ろにそっと寄って行った呪霊の肩をつかむと私のことに気づいていなかったのか呪霊はピクッと肩を一瞬震わせて振り向いた。
「誰、君?」
振り返った彼の顔にはつぎはぎの跡みたいなものがたくさんあってなんだか痛々しいな…だなんて思ってしまう。
『虎杖くんの友達』
「ふーん、そっか、じゃあ…」
呪霊は不気味に笑って彼の肩に乗せた私の手をぎゅっと掴んだ。すると、そこから呪力が入ってきた。
「あ、危ない!魂の形、変えられちゃう!!」
泣いていた男子が血相を変えて叫んだ。
この呪霊はそういうタイプね……と思いながら目の前でまだ不気味に笑っているヤツの顔をぼーっと眺める。それと同時にヤツは異変に気づいたのか、少し顔を顰めた。
「なんで、魂が変形しない…?」
『秘密!』
私はそのまま呪力で強化した拳で呪霊の顔を思いっきり殴った。そして、よろけた先にその呪霊に馬乗りになる。
「ッッ……!?このっ………!!」
『虎杖くん、早くその子と逃げて!!』
「でも…!」
『じゃあ、その子避難させて戻ってきて!それまでは私だけで大丈夫!』
一応私だって特級だし。
それを理解したのか虎杖くんはもう1人の彼を連れて外へ出て行った。
そういえば虎杖くんお腹から血出てたけどあんなに動いて大丈夫なのだろうか……戻ってきてなんて酷だっただろうか………
そう思いながらも目の前の呪霊の素早い攻撃をかわす。
「君は何者なの?」
『あなた、最近生まれたばかりでしょ?多分名乗っても知らないよ』
悲しいことに眠ってたんだから。
私がそういうと呪霊はそっか、と笑った。そして身体を変形し始めた。
『うわ、怖っ』
手が包丁のように尖ってそれが私へ向かってくる。
私はそれを避けて呪力で守った足で蹴りを入れる。いい感じに入った。
『………あれ?』
いい感じに入ったのに、思ったよりダメージが与えられていないような気がする。私の気のせいかもしれないが、何か違和感を覚えた。
「僕さ、魂に直接触られないとダメージないんだよね」
『え?』
呪霊は私に対して笑いながらそう言った。自分の弱点を晒す。それは私を下に見てるということだ。
実際攻撃面ではそうなのかもしれない。でも、それなら私にも…
『………領域展開、呪力雲隠』
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みかん大福(プロフ) - 麗華さん» 麗華さん、リクエストありがとうございます!そして、返信遅くなってしまって本当に申し訳ないです!ぜひ書かせて下さい! (3月26日 14時) (レス) id: c872eeaaf1 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - お話と設定がすごく好きです!リクエストなのですが…九十九由基さんとの絡みをやって頂きたいです! (8月11日 1時) (レス) @page44 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大福(プロフ) - ナミさん» ナミさん、リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (8月6日 12時) (レス) @page44 id: c872eeaaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - すごく面白いです!リクエスト(?)なのですが2年生との絡みをもっとやってほしいです!できれば乙骨先輩もみたいです…。これからも更新頑張ってください! (7月26日 19時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大福(プロフ) - しろりんさん» しろりん様、ご指摘ありがとうございます……!!全て修正させていただきました!本当に助かります!!嬉しいお言葉まで……!本当にありがとうございます🥰 (2022年9月14日 22時) (レス) id: d2d3b923b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん大福 | 作成日時:2022年7月3日 16時