呪術界の眠り姫【呪術廻戦】

11.最強の領域展開 ページ11

虎杖 side



　Aさんと一緒に特訓の一環としてどんどん映画を見続ける。映画を見れば見るほど学長お手製のぬいぐるみからは殴られなくなったし、Aさんともなんとなく打ち解けてきた。


「悠仁、A」

「うわっっ…！五条先生！」

『心臓止まるかと思った……』


　突然後ろから音がしたかと思ったら後ろには五条先生がいた。

「2人とも、課外授業行くよ？」

『私もですか？』

「もちろん。領域展開についての課外授業だからね」





『あの、悟さん、飛ぶ時は飛ぶって言ってもらわないと……あと、あそこらへんの森大変なことになってましたけど何したんですか？森林破壊で訴えられますよ？』

　急に知らないところに飛んできて、何が起こったかわからない俺の横で行われるそんな会話。Aさんのことは姫抱きなのに俺のことは虫を摘むような持ち方をするのはどうなのよ。五条先生…

「誰だ、そのガキ達は、盾か？」

　その言葉を発しているのは明らかに強そうな頭に山がある呪霊。

「自分から足手まといを連れてくるとは愚かだな」

「大丈夫、だって君、弱いもん」

『なんで煽るようなこと言うんですか！？ほら、怒っちゃったじゃん！！！』

　そんなことを言っている2人にはどこか余裕があるような気がする。あの呪霊が弱い…？？あんな化け物が？？

「A、悠仁と手繋いでて、術式で守ってあげて」

『了解です』

　そう言ってAさんは俺の手を取った。今から何が起こるんだ。

『大丈夫。楽しい課外授業にしよう』

　Aさんが俺の顔を覗き込んだ。その瞬間、呪霊が何かを唱えた。すると、周りには沢山の岩と溶岩。


「なんだよ…これ………」

『これが領域展開。術式の頂点で……私が昏睡状態になった原因………』

「A、あんまりそういうこと言わないで」


　俺が周りの景色に気を取られているうちにそう教えてくれた。

「あっつ！！！」

『もう、手離すと危ないからダメだよ』

　そう言ってAさんは俺の手を恋人繋ぎで繋いだ。いつもならドキッとするのだろうけど他のドキドキでそれどころじゃない。正直五条先生が領域展開の説明を続けてくれてるけどそれもそれどころじゃない。


『悟さん、私が領域展開しましょうか？』

「いや、今回は僕がするよ」


　そう言って五条先生はゆっくりとアイマスクを外した。その目は空のようにキラキラしていた。



「もう、俺、何が何だかわからないよ………」

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