【ワールドトリガー】守備無用 (ページ16)

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荒船さんと村上さんとランク戦したことあるかって？？勿論あるよー！！ページ16

次の日、

「A、ランク戦やろーよ‼」

ロビーに着くといつも通り緑川が駆け寄って来る。

しかし

『嫌です。』

それをキッパリ断るA。

「えー、なんで?」

それに顔を顰める緑川。

『そんな事よく言えましたね、昨日見捨てた癖に!』

「え、あー…だってアレは仕方ないじゃん～。ねぇ戦ろーよ!ランク戦!やろやろ‼」

『無理‼』

「ちぇ～…」

緑川が諦めたように頭の後ろで腕を組む。

『また今度やってあげますよ…あ!』

Aの目線がモニターへ行く。

そこでは、荒船哲次と村上鋼がランク戦をしていた。

『村上先輩と荒船さんのランク戦‼』

目をキラキラ輝かせて映像に集中する。

結果は村上が６本とって勝利。

部屋から出てきた二人に駆け寄る。

『お疲れ様です村上先輩っ‼』

村上に先程買った飲み物を渡した。

「おぉA、久しぶりだな。…ありがとう。」

微笑み、飲み物を受け取るとAの頭を撫でる。

『んにゃぁ…』

耳を垂れて気持ちよさそうに目を瞑るA。

「おい。」

そんな中、後ろから声が聞こえると同時に耳を引っ張られる。

『!?』

耳なので痛くはないが無理矢理頭を後ろに引っ張られたAはそのまま後ろによろける。

「俺は無視か。」

『だって負けたじゃないですかぁ、荒船さん…』

引っ張ったのは荒船だった。

尻尾を守ってAは目を逸らす。

「コイツ…‼;

可愛げのねェヤツだな!」

『うきゃぁ‼;』

バンッとガラ空きの背中を叩くとAは悲鳴をあげた。

「今から俺と戦るか?」

『やですよ、荒船さんゲスイし。』

「お前が弱いだけだろ。」

『わー、酷いこの人。』

「おい、俺はもう行くぞ。」

『え、もう行っちゃうんですか?私がお金出すんでお茶でもしに行きましょうよー‼』

「人に奢れる程楽な生活してないだろ、お前は。」

村上に突っ込まれたAは「う…;」と言葉を呑む。

「つかお前、鋼と俺への態度違いすぎだろ…;」

『そうですかー?まあそう思うならそうなんじゃないですかね。』

「テメッ…!…もうキレた。」

急に静かな声音になった荒船にAの本能が危険信号を出した。