５話 ページ5
『なっ…!』
「あはは、ホントにタダのハリネズミだと思ったんスか?」
タダのハリネズミが降ってくるワケないっスよ、と耳元で囁く金髪の男。
『きゅう、けつき…!』
ボソッと呟かれた言葉に男は目を見開き、にやりと笑った。
「あれ、知ってるんスか。もしかしてＣ３とか?」
――Ｃ３…?――
そういえば、椿達の口からたまに出る単語なのを思い出した。
「…その反応はハズレッスかね?」
『わぅ!』
男がそういうと同時にAの身体は近くの塀に押し付けられた。
「じゃあアンタは一体何者なの?」
吸血鬼特有のギラギラとした赤い瞳が容赦なくAを睨みつける。
『ら、ないっ…しらないっ!』
Aが叫ぶ。
「…あぁ、そっスか。」
男の声が聞こえたと同時に
『っ!?』
首への痛み。
つい最近体験したかのようなこの感覚…
『ぅ…ぐ、ぁ…!』
吸血＿＿＿。
「ふ、ははっ。やっぱ当たりだったッスね。」
“ごちそーさま”
牙を抜いた男が口についた血を拭い笑った。
「ああ、自己紹介がまだだったッスね。
俺は強欲の真祖、ロウレスちゃんッスよ。」
『しん、そ…?』
眉を顰めるAを見てロウレスが首を傾げる。
「アンタ思ってた以上に吸血鬼の事知らねえんスね。」
それより…と、ロウレスが不気味に笑い
「血、ちょっと気に入っちゃったッス。
ついでにアンタの事も。」
『!』
ヤバい、と直感的に感じた。
「主人はもういるからぁ…俺の下位にでも…ってそれじゃ血飲めねぇんだよなぁ。」
ボソボソと呟く男、ロウレス。
考え事をしている最中も捕まれた両腕は力が強くて振りほどけない。
――言ってしまおうか――
――でも、それじゃあ認めることになる――
“自分が椿の主人だって”
色々な意見がAの脳内を巡る。
先に答えが出たのは
「ま、いっか。」
ロウレスだった。
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ルイガ(プロフ) - とても面白くて好きです。更新楽しみにしています (2019年5月4日 13時) (
レス) id: 80822b2a5c (このIDを非表示/違反報告)
こたぬき@ショタコン - 椿も、ロウレスも、クロも好きだー！！クロは声優さんが梶さんで好きだし、ロウレスは性格が好き。椿は過去と顔だな。うん← 更新頑張ってください！応援してますっ！！ (2018年9月10日 16時) (レス) id: 223f7ad38f (このIDを非表示/違反報告)
お菓子の家(プロフ) - 面白いかったです！更新お待ちしております (2017年12月31日 1時) (レス) id: b214390435 (このIDを非表示/違反報告)
夢見るプリン(プロフ) - とても面白いです。更新頑張ってください！ (2017年6月13日 10時) (レス) id: a1fcc0336e (このIDを非表示/違反報告)
リラリア(プロフ) - すっごく面白かったです。続き楽しみにしてます！ 更新頑張ってください！ (2017年5月26日 2時) (レス) id: 76dfce98dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昇陽 | 作者ホームページ：http://ginngatannpennsyuu
作成日時：2017年4月16日 17時
