狐。 ページ4
ﾎﾟﾝ
Aの目の端で白い煙がたった。
『え、なに?』
さっきまであった椿の気配が無くなり、後ろを振り返ると
「こん」
狐。
“何処から現れた”なんて、壊滅的な成績のAにはどうでもよかった。
ただ一つ…
『か、かｯ…
可愛いぃいいいい!!』
「こぎゃあ!?」
その、黒い狐を勢いよく抱きしめたA。
狐はつぶれたような声をあげ、Aの腕に収まった。
『な、何この子!?狐っ!?可愛すぎる!椿の所の子なの!?』
「こんっこん!」
狐は苦しそうな声をあげるが、さらに追い打ちをかけるかのように強く抱きしめる。
「え、あぁ…A、その狐は…」
それを見ていた桜哉がAに本当の事を教えようとすると
『あ』
「へっ!?うっわ‼」
狐が急にAの腕から飛び出し、
桜哉の顔面を引っ掻き、蹴り、Aの腕へ着地した。
「こんっ」
「(“言うな”ってか!?もっと優しく教えろよ糞狐‼)」
桜哉がグレタ瞬間だった。
『え、よく分かんないけど可愛い!椿センス良いなぁ‼』
狐、もとい椿はAの腕に収まり尻尾を揺らしている。
『て、もう夕方…!?今日学校から一回も帰ってないし、怒られる!』
「こん‼」
狐は早足で個室へ入っていき、次にはその個室からは椿が出てきた。
このトリック(仮)に気付かない人間がいるのだろうか?
『あ、椿!?いつの間に…』
いた。
椿がニコｯと笑う。
「分かってると思うけど、キミは帰さないよ。」
『え、えぇ!?なんで!』
「何でって…人質とかしかないでしょ。」
『え、あ…あーっ!私、憂鬱組に捕まってたんだった…‼』
「え、そこから?」
『でも帰る!もう暗くなるから!』
Aが立ち上がり、エレベーターへと向かう。
が、
「帰さないって。まずエレベーターに近づかせないよ。」
「…」
雰囲気はガラリと変わって、桜哉がエレベーターへの道を塞ぐように立った。
『ｯ…』
椿が近づいてくる。
Aは、それに後ずさる。
『!』
トン、と窓に当たった。
何故か開く窓だった。
窓の外には此処より小さいビルやホテルがいくつも建っている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白野威(プロフ) - かれんさん» あら、本当だｗありがとうございます！！直しておきます！ (2017年4月1日 15時) (
レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 『二人』の所の有栖院御国の所が御園になってますよ。 (2017年3月17日 18時) (レス) id: 765bbbde8f (このIDを非表示/違反報告)
白野威(プロフ) - 闇アリスさん» 更新遅くてすいません！！ありがとうございます！！更新遅い分、話を死ぬ気で作ります！！ (2016年12月5日 2時) (レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
白野威(プロフ) - ノワール@怠惰組さん» こんな作品を好きになってくれるんですか…？光栄です！！ありがとうございます！ (2016年12月5日 2時) (レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
白野威(プロフ) - hhhさん» ありがとうございます！！ (2016年12月5日 2時) (レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沈月 | 作者ホームページ：http://ginngatannpennsyuu
作成日時：2016年11月27日 21時
