吸血。 ページ3
「あー」
『…』
背後に感じる気配と腹に回された腕にAが顔を顰める。
あの後、殺されるかと思いきや何故か敵である椿の前に座っている。
“解せぬ…”
「城田真昼似の栗毛。」
椿がAの降ろされた髪を掬う。
「城田真昼似の癖毛。」
その髪を説くように触れる。
「そして城田真昼似のその目つき」
椿がAの顔を覗き込む。
『…』
そして、不敵に微笑む。
「全部がだぁいきらーい。」
“なら触るんじゃねぇ!”
そんな言葉の代わりに、Aは椿を睨みつける。
「はは、その態度もホント嫌い。」
と、突然、椿がAの制服の襟に手をかけた。
『ｯ!』
身の危険を感じたAは椿のその手を掴んだ。
『何する気…?』
「えぇ?何って、吸血鬼らしいこと…?」
未だに怪しげな笑みを浮かべる椿をAは再度強く睨みつけた。
『離して。“こういう事”なら引き受けない。』
「こういう事って、血を飲むこと?別に厭らしい事じゃないし、いいでしょ?」
『良くない!椿、牙が刺さるのがどんだけ痛いか知ってんの!?』
突然大声を張り上げるAに、先程のようにポカンとした椿は
「あは、あははは、あはははははっ‼」
これまた先程のように大笑いをして
「あー…面白くない。」
と、溜息を吐いた。
「なに、そういう問題なの?人間の吸血の拒否ってそんな理由なの?」
『いや、だって考えてみ!?注射の針より太いものが刺さるんだよ!?ショック死するからね!』
「…考えすぎじゃない?」
着物の袖を口元にあてがい、不思議そうな顔をする椿。
痛みには疎いようだ。
『逆に吸血鬼って皆そんなものなの!?』
「まぁ兎も角、血頂戴よ。」
無理やり話しを切り替えた椿。
『やだ!』
Aの拒否を振り払い、再び服に手をかける。
と、背後に感じた視線。
椿は、クスリと笑い振り返る。
「君も混ざる?桜哉。」
椿の後ろには、顔を歪めて椿とAを見つめる桜哉がいた。
桜哉は
「マジ、やめてください…」
とだけ呟く。
「あはは、冗談だよ。家族の目の前で大事なものを傷付けるだなんてしないよ。」
その意味深な言葉に、さらに顔を歪める桜哉。
『椿ｯ、私そろそろ帰らないとだからっ…』
それを他所に、取り残されたAは椿の服を掴む手と一人、格闘していた。
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白野威(プロフ) - かれんさん» あら、本当だｗありがとうございます！！直しておきます！ (2017年4月1日 15時) (
レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 『二人』の所の有栖院御国の所が御園になってますよ。 (2017年3月17日 18時) (レス) id: 765bbbde8f (このIDを非表示/違反報告)
白野威(プロフ) - 闇アリスさん» 更新遅くてすいません！！ありがとうございます！！更新遅い分、話を死ぬ気で作ります！！ (2016年12月5日 2時) (レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
白野威(プロフ) - ノワール@怠惰組さん» こんな作品を好きになってくれるんですか…？光栄です！！ありがとうございます！ (2016年12月5日 2時) (レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
白野威(プロフ) - hhhさん» ありがとうございます！！ (2016年12月5日 2時) (レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沈月 | 作者ホームページ：http://ginngatannpennsyuu
作成日時：2016年11月27日 21時
