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先輩兼保護者。 ページ2

「さあ、まずはその着ているマントを取ってもらおうかな。」




部屋から連れ出し早速その少女に喋りかける。



少女は「あぁ、なるほど。先輩の前でこれは失礼ですよね。」と言ってマントに手をかける。



どうやら聞き分けが良い方のようだ。



バサッ…



フードが落ちた。


「な…!」


「おっと…これはたまげたね。」



少女ことAには、コスプレなんかではない獣耳と尻尾。

ゆらゆらと動く犬の様な毛深い真っ白な尻尾。


下ろされた藍色の髪を揺らしてはにかむ。

『先輩達といる事になるから、どうせもうマントはいらないって言われました。』

「どういう事だ?」と考える二人だがすぐに「どうせ目立つから意味ない」と嫌味を言われている事に気付く。





「面白い身体をしているね。興味深いよ。」


ヒタリと太宰の左手がAの耳に触れた。


『…!?』


その瞬間力を失ったかのように膝をつくA。


「え、だ、大丈夫かい!?」


Aは倒れた身体をすぐに起こすと苦笑いする。



『こういう体質に“なった”んです。普段から能力発動状態なんです。


だから太宰さんに身体を触れられると無効化…つまり力が出なくなるんですよね…。』


「常に異能の発動状態だと…?そんな事が…。」

中原中也が顔を顰める。



「へぇ…本当に珍しいね。キミ…。」



太宰の瞳の奥に何かがよぎる。








「さて、それは置いといて…」



次に太宰の視線はAの右目へ移された。


「包帯野郎が2人もいちゃストレスだぜ俺は…」

Aの右目には目を覆い隠すかの様に頭から目にかけて包帯が巻いてある。



『これですか?これは流石に…』


言えないらしい。


さほど興味を持たない中也は特に探ろうとする行動もなくAの蒼い左目を見つめている。


マフィアは彼の様に、他人の過去には特に探りを入れない者が多い。



しかし、時と場合によっては例外もいる。




「私達はこれからキミの“ホゴシャ”になる上で過去は知っておかなければならないのだよ。」

いつも通りの作り笑いを見せる太宰は後ろに立つ中也にチョイチョイと手を出す。



「あ?」


「ナイフだよ、ナ・イ・フ!」



「ナイフって…んなもん使って何すんだよ。」


「いいから」と右手を出す太宰に中也が面倒くさそうに懐を漁る。

短刀を太宰の右手に置いた。




そして


『なっ…!?』


シュン



風を裂く音。



太宰が下からAに向かってナイフを振り上げたのだ。

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雪奏 - すごく面白いです!応援してます!壁|ョ・ω・`o)ガンバッテッ♪ (2018年6月29日 23時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
白野威(プロフ) - ありがとうございます!すっごく嬉しいです!!頑張りますね! (2016年6月12日 2時) (レス) id: 3d1ec451e6 (このIDを非表示/違反報告)
カラス(プロフ) - 小説読みました!とても続きが気になります!応援してます (2016年6月12日 2時) (レス) id: 8a5ea3d4b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:照昇 | 作者ホームページ:http://ginngatannpennsyuu  
作成日時:2016年6月12日 2時

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