gin and tonic [kym×hkt] (ページ5)

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「おー北斗、待ってたよ」

インターホンを鳴らすとこれまたスウェット上下の樹が出てくる

「お前、その格好で行くの？」

「...え？やべぇ？」

「やべぇだろ...」

「しゃーねぇな。着替えてくるから３分待ってて」

「3分間待ってやる、つって」

俺が大袈裟に某大佐の物真似をすると、彼は鼻で笑った

「似てなすぎんだろ...」

「お前が振ったんだよ、早く着替えてこいよ」

「わぁーったよ。まぁ待っててって」

ドア前で待たされること2分

「お待たせ。...どう？格好いいべ」

白Tにジーンズ、２分でピアスまでつけてきた。...早替えの技術身に付けてんのかな

「...まぁまぁじゃない」

「んだよそれ、素直じゃねぇな」

いつも自信家で、気のいい樹。俺の友達であることが勿体無いなぁとか思う。こんな陰キャ捻くれサブカル男なんか、彼の真逆の位置でしかない。俺がラジオを聴いて本を読むとき、彼はEDMを聴いて両脇に女がいるはずだ。...きっと、それくらいの違いがある

「んーとな...寿司いこ、寿司」

歩き出してそうそうスマホを取り出す彼は、"あと３分でタクシーくるわ"と言った

...本当に非の打ち所がないと思う。一つ挙げるとすれば、1人の女をずっと愛せないことくらい？そんなことも、こいつの他スペックと並ぶと大した問題でないように思えた。....俺は、いつもの如く劣等感の塊だった