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繁華街の一角にテナントを置いたバイト先に着く。
俺がバーテンダーをしてるのを知っている知人は
「おはよ。今日のやる気は？」
「相変わらずないよ。はやく続きが読みたいんだよ、本の。」
「...だろうね」
高校の同級生で、同じ仕事をしている田中樹だけ
何故か出勤のたびやる気の有無を確認してくる、その真意はわからない
彼は高卒後、進学はせずにここでレギュラーとして働いている
俺はスポットというか、出られるタイミングで出てくる"THEバイト"の働き方。
「今日は忙しくなるよ」
一応人多めに入れてるみたいだけど金曜日は仕方ないね、頑張ろうな。と続けた彼はなぜか笑顔だ
「楽しそうだな」
「暇より忙しい方がおもろいっしょ。」
高校の時から変わらないギャルマインドを携えて、今日も勤務をスタートさせるらしい。こいつの陽キャっぷりは本当に毎度ながら感心させられる
「はぁー、まじでやだ働きたくない」
「元気出せって。お前は出勤するだけでえらいから」
"えらい"のハードルを極力、もはやちょっと足を上げさえすれば越えられるくらいに下げて。そうしてもらってやっとそれを越えられるような...俺のメンタルはいつもそんな調子だ
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年8月3日 22時
