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「あ、どうですか...味...」
何か返事をしなければと口をついた言葉。我ながら会話のキャッチボールができてなすぎる。今までどうやって会話してたっけ
「ん、美味しいよ。...ねぇ、」
「なんですか」
グラスを拭きながら相槌をうつ
「顔見て話してよ」
手の動きを止めた。...もうずっと前から雫も曇りもなくなったそれを、拭き続けていたのがバレたのかもしれない。だとしたら恥ずかしいことこの上ないな、そう思った。
わかりました、そう言って相手の目を見る。残念ながら、スムーズに発せられた自信がないその言葉
「よしよし...ついでに、前髪で若干目隠すのやめてみてよ」
本当に、なんなんだこの人は。...確かに、若干俺の目には前髪がかかっていて
今日が暇な日でよかったな。別にやってやるけど、そんくらい。文句の一つくらい言ってもバチあたんないと思う
「俺をおもちゃにでもしてるつもりですかね、」
「...っぱめっちゃカッコいい顔してんじゃん」
なんでそんな嬉しそうなんだよ。てか話聞けよ
「...何しにきたんですか」
「なにって？ホクトくんに会いに来た」
首を傾けて笑顔でそう言うもんだから、こっちもなんかモヤモヤする。なんだこの感情
「グ...グラス空いてますけど、次はどうされますか」
「ふは、動揺しちゃってる？...可愛いなぁ、えーっとねぇ、」
この人はダメだ。遊び慣れてる雰囲気がする、否、その雰囲気しかしない。もっと一途に愛してくれる人を、てかそもそも口説かれてるのか？そうでなかったらめっちゃ恥ずいじゃん。てかそもそも俺、男...
「ホクトくん？きいてる？」
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年8月3日 22時
