番外編:幼少時代 ページ5
私とトシは武州あたりの豪農、土方家当主がよそに作った愛人の子として生まれた。両親の姓名は分からない。
母が亡くなった後突然姿を現した私たちに、土方家の人たちの目は冷ややかだった。
だけど、土方家を継いだ長男の為五郎兄さんだけは私たちを温かく迎え入れ、兄としてまた父代わりとして接してくれた。私たちも為五郎兄さんを慕っていた。
だけど…ある事件が起こった。
ある日夜盗と対峙した為五郎兄さんは目を潰されてしまった。
それを見た私たちはカッとなって夜盗に飛びかかり、気がつくと彼ら全員の目玉が土間に転がっていた…
それ以来私たちは土方家を避けるようになった。
15歳の時に私は攘夷戦争に参加するためトシと別れた。
トシは私を止めようとしてたけど最後には見送ってくれた。
そして…私は銀時達と出会った。
…本当は私が彼らの代わりに背負わなければいけなかった…だって、彼のことを私は知らないから。
彼を大切に思ってないから…
吉田松陽…銀時の育ての親であり、師匠でもあった男…
…もし、"彼が生きており、彼らを傷つけようとするのならその時は私がやる。"
もう二度とあのような顔は見たくないから…
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作者名:シラユキ | 作成日時:2018年11月9日 18時