【銀魂】愛され少女は最強だった！？

9* 不思議な能力見つけました ページ10

――今の声は。
……何回も何回もリピートする先程の声。

彼女がゆっくりと振り返った先には
栗毛の、隊服を着た少年がいた。


「…っ！？」

土「……これが拷問してるように見えるかよ
総悟」

？「あり？ 違ったんですかィ？」

土「警察疑われるわ」


江戸っ子口調の、総悟と呼ばれた男。
それはまさしく、彼女の大好きなキャラクター
――沖田総悟であった。

すると、不意に彼と目が合って。
何故かいきなり、沖田が目を見開いた。


沖「女？ 珍しい、土方さんが女相手に尋問するなんて
今日はバズーカが降るって天気予報で言ってやしたっけ？」

土「色々あったんだよ
ていうかバズーカ降るって何？ ギャグなの？」

沖「いやぁ今から物理的に落とそうかと」

土「死ぬわァァ！！！」


ガチャリ、と何処からか取り出したバズーカをセットする沖田。慌てて止める土方。

…それを見て、彼女が何故かキラキラした目で立ち上がった。


「(巻き込まれたい！！！！)」


……どうやら、バズーカに当たりたい(死にたい)らしい。

逃げ惑う土方の前に立って仁王立ちする。
…その時、丁度沖田が引き金を引いた所で。

あまりの急な出来事に、その手は止められず。
驚いた顔して、ズドンと引いてしまった。

…土方も、目を見開いて煙草を落とした。



ドカァァンッッ！！！



沖「オイ！ お前大丈夫か！」


たかが爆発させるだけの軽いバズーカなのだが
当たれば丸焦げになってしまうほどの威力だ。

沖田が武器を捨てて白煙の中に飛び込む。


……すると。


「……ケホ、コホッ」

沖「……ア！？」

土「ゲホッゲホッ…！？」


白煙で舞った埃で噎せていたA。
その体は、傷一つなくさっきと同じ格好をしていた。

その様子に、沖田と土方が同じ顔をして。


沖「何だこいつァ…一体どうなってやがんでィ」

土「お前、もしかして……ただモンじゃねぇな…」

「え、いや、あのお……」


自分でも何があったのかは全く分かっていない。
もちろん、神の仕業である。


『ふーっ、全く…近頃の若者は危ないものを持ってるなぁ
廃刀令とか、なかったのかな？』

「ど……どうなってるの…！？」


神が空で見守る中、Aは身の危険を感じていた。

目の前の男性二人が、腰に持った刀に手をかけている。


土「普通とは少し違うとは思ってたが…
悪ィがしばらくここで取り調べさせてもらう」

沖「て事で、大人しく捕まってくだせェ」



「……っ(助けてぇぇぇっっ！！！！)」

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