惚れ薬なんて効くわきゃねぇ。【黒尾鉄朗】

惚れ薬 ページ12

黒尾、私のこと、恋愛感情で好きって言ってくれた。

ほんとに嬉しい。

でも、黒尾は、私が薬の影響で好きになってるって思ってる。



『……ごめん、黒尾。』

「……は？」

『騙してて、ごめん……』

「え、ちょ、頭追いつかない」



だろうな、惚れ薬効いてるって思ってたんだろうし。



『惚れ薬、効いてないよ、全く。……これ以上、黒尾に惚れないくらい、黒尾のこと。……大好き、だから。』



恥ずかしかったので、黒尾の胸に頭を押し付ける



「……えっと、これも薬の影響だよな。」

『違うってば！薬効いてるフリしてただけ！私演劇部だよ！？そんなの楽勝なんだって！』

「……まじ？惚れ薬効いてねぇの？けど、俺のこと好きなの？」

『そうだって言ってんでしょ、何度も言わせんなバカ。』



急に頭を持ち上げられ、間抜けな声を出すも、黒尾と見つめ合う



『……黒尾、私、ずっと前から……黒尾のこ、んっ……？』



黒尾人差し指が私の唇に当てられる



「そっから先は、俺が言う。Aは聞いてて。」

『はぃ……』



そんな愛しいものを見るように微笑まれても……！！

照れるだろ！

嗚呼、好きだなぁ。

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