検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:17,776 hit
小｜中｜大

＊ ページ8

『……あれ？部長ってあんなの付けてましたっけ？』

『んー？』



大会中、煉獄くんの試合の時に、一瞬見えた足のそれに目敏く気付いた後輩ちゃん



『さっき一瞬見えたんですけど、足元。あ、いや別に私が部長のくるぶしが好きでガン見してたとかそういう理由で気付いたわけじゃないですからね！』



明らかに自分で墓穴を掘っているが、敢えてスルーをしてこっそりと耳打ちをする



『えええっ、ちょ、ちょっと待ってくださいよぉ！急に蜂蜜ぶっかけないで下さい！』

『ふふ、内緒ね』

『そんな！私にこの大量の蜂蜜を一人で消化しろって言ってるんですか先輩？！』



キュン死にしちゃう、と悶えている後輩を宥めて試合を見る

今日の煉獄くんは調子が良さそうだ

取る、そう感じた瞬間に煉獄くんの竹刀が相手の面を叩いていた



『部長、優勝だぁ。凄い……』



後輩ちゃんが感嘆の声を漏らしながら煉獄くんを見つめる

視線の先の煉獄くんがゆっくりと面を外す

そして、此方に向かって微笑む

……この瞬間が、どうしようもなく好きだ



『ねぇねぇやっぱり先輩と部長ってデキてるんですか？！』

『うーん、まだ、かな』

『まだって、ちょっとやだ先輩もう！さっきから私のこと生殺しにしすぎですってば！』



バシバシと私の背中を叩く後輩ちゃんがどこか可笑しくて笑っていると、煉獄くんが此方へやって来た



『おかえり』

『ああ、これで二人で表彰されるな』

『ふふ、まだ気が早いよ！でも、負けるつもりないから、見ててね』



男子個人戦を勝ち抜いた煉獄くん

次に行われる試合を勝ち抜けば、女子の方を勝ち抜いたのは私となる

三年間で、叶えようと入部当初に誓った夢



『うむ！心配などしていない！都賀なら出来る！……今度こそ、肩を並べよう、都賀』



当たり前だよ、と返そうとして止める

視界に映った煉獄くんの表情に違和感を覚えたから

いや、確かに煉獄くんが本気でそう思ってくれているのは分かるけど



『なんか、煉獄くんの言葉に重みあるね？まぁ、そうだね。七年間追い掛け続けてきた訳だし、そろそろ横に並ばせて頂こうかしら』



そう笑いながら、二人の元を去る

鞄からとある物を取り出し、足首に付ける

何とか間に合って良かった、とそれに目を落として笑う



『よし、負ける気がしない』



面を被り、コートへと足を踏み入れる

煉獄くんの次は、私の舞台だ

＊→←＊



→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )

点数: 9.9/10 (54 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
アイコン この作者の作品を全表示｜ お気に入り作者に追加｜アイコン 感想を見る
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム： 感想：  ログイン

me(プロフ) - ここまでノンストップで読んでしまいました･･･！とっっても面白いので応援しながら続編も待ってます！頑張って下さい！ (2020年11月18日 10時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
 奏音☆色音(プロフ) - 教員編か、うん、この二人をまた見られるなんて、めっちゃ嬉しいです。そして母と父w (2020年2月15日 22時) (レス) id: 9c3c6c7419 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名：あだしの。 | 作成日時：2020年1月6日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。