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『それじゃあ、始めるぞ』
控えめに言って死にたい、どうして私は今煉獄くんと対峙してるのだろうか
だが、一度防具を身に纏えば今までの疲労が嘘のように消えていく
頭の中がクリアになる、ビリビリと煉獄くんの闘気が伝わってきて、自然と口角が上がる
師範が開始の合図を出した瞬間、同時に動き出す
重い一撃を受け止め、腕が痺れるのを感じる
嗚呼、格好良いなぁ、強いなぁ
でも、
『煉獄くんが思ってるより私成長してるからね!気抜かないでね!』
今度は私が煉獄くんを追い詰める、私には力が無いから、速さで勝負だ
竹がぶつかり合う音が心地良い、この音を聞くと何処か懐かしい気持ちに駆られるのだ
『……父上!都賀が動きません!』
『当たり前だろう、やりすぎだ馬鹿者』
結局一本を取られた私は、悔しくて師範に指摘されたことを意識して二戦目、三戦目、と体力が底をつくまで竹刀を握った
まぁ、当然こうなるよね、もう無理立てない
『二人とも、マシになったな』
そう言い残してどっか行った師範は言葉選びというものを知った方がいいと思う
だけど、
『よもや、父上に褒められてしまったな』
『そうだね、師範にあんな風に言って貰えるの初めてかも』
師範の言葉の裏にある優しさに気付けないほど、私達は師範のことを知らない訳では無い
かれこれ七年になる付き合いのせいか、その不器用さがたまらなく可笑しくて、二人で笑った
『煉獄くん、あのね。明日で高校生活最後の大会じゃん?だからね、私、煉獄くんに渡したいものがあってね』
帰り道、私の荷物を持って家まで送ってくれた煉獄くんに小さな袋を渡す
その場で開けようとする煉獄くんにストップをかける
『ビビビッて来たの、なんだか分からないけど。でも、それ、喜んでくれると嬉しいなぁ。じゃあ、送ってくれてありがとね、また明日。頑張ろうね』
そう笑い掛けて、何だかんだ初めてのちゃんとした贈り物だったので気恥しくなって家の中へと逃げた
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me(プロフ) - ここまでノンストップで読んでしまいました・・・!とっっても面白いので応援しながら続編も待ってます!頑張って下さい! (2020年11月18日 10時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
奏音☆色音(プロフ) - 教員編か、うん、この二人をまた見られるなんて、めっちゃ嬉しいです。そして母と父w (2020年2月15日 22時) (レス) id: 9c3c6c7419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あだしの。 | 作成日時:2020年1月6日 8時