8両目、出発停止。 ページ8
「や、山井さん！」
朝、自分の席で数学の勉強をしていた彼女に声を掛ける。
「や、山口くん…、お、オハヨウゴザイマス」
「あの、凄く美味しかった…ありがとう！」
「食べたの？！」
「え？！食べちゃダメだった？！」
「いや食べて欲しかったけど……実際食べられるとなんか…照れる……」
昨日の実験の時と同じくらい、否それ以上に顔を赤く染めて机に突っ伏した山井さん。
これは、本当に、自惚れてもいいのだろうか。
「……お口にあって何よりデス」
「うん、本当に美味しかった、ありがとう」
机に伏せているからくぐもった声を出す山井さんに、お礼を言って笑いかける。
正直、俺も死ぬほど恥ずかしい。
ていうか、俺貰う時に『うん、分かった』って言ったよな。なんて最悪な返事をしたんだろ、いや最悪すぎるな。
とりあえず自分の席に戻る。
「ツッキー…俺、どうすれば良いのかな…」
「知らない、自分で考えなよ」
ごもっともです…。
でも、本命、なら、返事しないとだよね…。
いやそもそも俺、山井さんのことどう思ってるのか分からないし、だって俺にとってはまぁまぁ喋るクラスメイトっていう認識だったわけで…！
1ヶ月、待たせることになるけど。
「やっぱりホワイトデーかな…」
うん、そうしようかな。
直接言われた訳じゃないし、送るお菓子で意味は変わるって言うから、それを使って遠回しに…。
「……あー、なんか俺、まともに山井さんの顔見れないかも」
「見なければいいんじゃない」
「人と話す時目合わないの不自然じゃない…？」
「山口、うじうじしてて面倒臭い」
「ごめんねツッキー…」
「……別にいいけど」
山井さんのこと、ちゃんとこれから考えよう。
ツッキー行きのチョコ列車の中から
一つだけ
俺の元に留まる号車がありました
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ｎａｎａ(プロフ) - まとめ方がとても上手くて尊敬します！ (2020年2月26日 14時) (
レス) id: 8b7e89d888 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 山口君の小説有難うございます！とても面白かったです！ (2020年2月20日 20時) (レス) id: 8f3ce9713a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうかな - とっても面白かったです！やっと山口が報われるのを見つけた！ (2020年2月19日 15時) (レス) id: 84f41cfd95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あだしの。
| 作成日時：2020年2月13日 20時
