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「ああ、見つかってしまったな」



ふ、と此方を見つめて口元を緩めたジマトシ。違う、ちょっと、これは私の心臓に悪い。



「み、みみみ皆にも見つけてもらおうね!ジマトシ爆誕〜!!」



必死に顔が赤いのを誤魔化しながらカーテンを勢いよく捲った。「耳が赤いぞ」と後ろから肩を掴まれる。「赤くない!赤くないですよ!」そのまま机に突っ伏せば、目の前の友達がが振り返ってニヤリと一言。



「恋する乙女は大変だね〜」



うるさっ!前向けよ、と背中にグーパンをお見舞いしておいた。ジマトシは実は殺し屋か何かで、依頼で私を殺しに来てるのではないかな、と思うようになってきた。このままだと本当に心臓がもたない。



「片想いってデスゲーム過ぎない?」

「ちょっと表現行き過ぎだと思うけど分からなくもないよ」

「相手が天然とかよりタチ悪くない?」

「だいたいアンタも脊髄反射で生きてるからどっこいどっこいだよ」



私の友達少し辛辣なのでは。それにしてもアレはダメだ。先程の柔らかい笑みが脳内にフラッシュバックする。あああ煩悩退散!!……あの笑顔、将来テレビに映ったらリア恋勢が沢山湧くのではなかろうか。



「うぬん、複雑…」



テレビに写って欲しいけど写って欲しくないな。ジマトシが無愛想だと思われたくないけど、実は可愛らしい一面が沢山あることは知られて欲しくない。いやいやいや、私は何ポジションなの?彼女でもなんでもないのに、何をそんな嫉妬やら独占欲やらに塗れた発想に至ってるの?落ち着け私、ジマトシは世界だ。世界を独り占めなんで出来っこないんだから、落ち着こう冷静になろう。



「藤野」

「へぁ?」



頭を抱えて邪念を払っていれば、後ろから肩を叩かれる。真逆話しかけられるとは思っていなかったので変な声が出た。口元を抑えながら後ろを振り向けば、「回してくれないだろうか」と一言。



「……世界を回すのは、ジマトシの役目では?」

「プリントの話だが」

「……あ、プリント」



突飛な発言をした私に訝しげな目線を送ってくるジマトシだが、それに気づかないフリをして机の上にいつの間にか溜まっていたプリントを渡す。私今日ポカやりすぎでは。間抜けにも程があるような気が……。



「早く伝えれば楽になんのに」



前の席の友達がそう言いながらプリントを回す。言うは易し行うのは難し、この世界はこの言葉に限るんですよ、と楽観主義が過ぎる友達に教えてあげた。

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あまね(プロフ) - やめてください供給過多です嘘ですごめんなさいもっとして (8月2日 1時) (レス) @page13 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
- いっぱいしゅきです (2020年6月16日 17時) (レス) id: c593b9094d (このIDを非表示/違反報告)
レイア - ジマトシさいこーです!!らぶです!!更新楽しみにしています!! (2020年6月4日 0時) (レス) id: 9d193411e2 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - あ、ジマトシ好きです。一目惚れです。ハートを撃ち抜かれました。 (2020年5月27日 0時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
まーち - タイトル見た瞬間吹き出すました(笑)凄い発想ですね、好きです((え (2020年5月26日 22時) (レス) id: 4ffda966c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あだしの。 | 作成日時:2020年5月25日 20時

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