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洗濯物を取り込んで畳んでいれば、寮内が途端に賑やかになった。オーディションも終わって皆帰ってきたのか、と思っていると後ろから皆木さんの声がして、洗濯物を手伝ってくれることに。
「まじで三好さん居るとか聞いてない……」
「三好さん? お知り合いですか?」
「高校時代の先輩で……って、Aは会ったことないんだっけ? 俺達の公演のフライヤーとか、サイトのデザインとかやってくれた人でさ」
「あれ外部委託してたんですか、クオリティ高いなとは思ってましたけど」
「外部委託……まぁそうなんだけどそこまで畏まるほどでも……」
皆木さんの高校時代の先輩なら、きっと落ち着いた雰囲気の人なのだろう。デザイン系に強いみたいだから、もしかしたら独自の価値観を持ち合わせてるかもしれない。とりあえず、フライヤーが作れる人が劇団員になってくれたのはかなり心強い。余計な出費を抑えられる。
「Aはまだ夏組の奴らと会ってないんだよな? 会ったらビックリすると思う、ホントに」
「そんなに個性的な人達が集まってるんですか……?」
「濃かった……そりゃ俺は村人Cだわって納得するくらいには」
「……なるほど」
皆木さんの胃が心配だな、と思いつつも個性的な人が集まる夏組の舞台が今から楽しみになってくる。脚本次第だけれど、照明でもっと遊べたら良いな。
「洗濯物も畳み終わったし、俺は部屋に戻るとするかな」
「はい、手伝ってもらってありがとうございました」
「いやいや、俺達の洗濯物がほとんどだし」
ぐい、と伸びをしてから「三好さんと暮らすのか……」と肩を落としながら部屋へ帰る姿を見送る。三好さん、会ったことないけれど相当厄介な人なのだろうか……。
「……家帰んないと」
寮で出来ることも粗方終えたし、お母さんに改めて話をしないといけないから、と自分の部屋でに軽く身支度を整える。お姉ちゃんは夏組の件で忙しいだろうから、LIMEで一言残して寮を出た。
_______
【謝罪】
二幕読み返していたら、支配人はこの日二日酔いで夏組が寮に来てから起き出す事が判明致しました……。
こちらの確認不足でした、申し訳ないです。
その為、元26話(支配人に退団を告げる話)を1話まるごとカットしました。それに伴い、元27話が現26話、、、と1話ずつ繰り上がっています。
現29話ではバッチリ支配人起きてるんですけど、今後の展開のためここは変えずにいかせてもらいます。
大変申し訳御座いません。
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作者名:あだしの。 | 作成日時:2020年11月3日 22時