イケメンに捕まった【及川徹】

全員フォーク持ってる奇跡 ページ6

「A様？」



A様の席を女子で囲んでお食事をしていれば、
A様が何かに心を奪われていらっしゃるご様子

……心ここに在らず、といった姿でもなんと美しいのでしょうか



「……ん？ああ、ごめんね。少し、考え事をしていて」



そう申し訳なさそうに笑うA様

その表情に、声に、存在に、耐えきれず、
私達女子がとった行動にA様は驚いたようで



「？！血が出てるよ…？」



それもそうか、誰でも驚くよな
……自分を囲う人が一斉に自身にフォークを突き立てた、なんて



「「「すみませんつい」」」



そう声を揃えた私達に、かなり焦っている様子

待って本当に尊い、え？私たちの身を案じてくれてるの？
もう何なの大好き私たちの王子様

自分のリュックから何故か持参していた包帯を隣の女子に巻き始めるA様

何で持ってるのぉ……好きぃ……



「お、おいお前ら大丈夫かどうした？！」



騒ぎを察して、男子が声を掛けてきた



「うるせぇな至福の時間なんだから邪魔すんじゃねぇ」



私が女子を代表して男子に立ち向かう

邪魔しないでくれ、私は今A様の手際の良さを舐めまわすように見ているんだから



「な？！お前なぁ！折角心配してやってんのに！」



ああ、指長い綺麗、えええ最後は笑顔で頭ポンポンとか
これは死ねと言っているようなものですよねA様愛してる

隣の女子が死んだのを確認して、次は私だと心を躍らせる



「椿も、手当しないとね」



な、名前呼びｨ……

恥ずかしながら、名前を呼ばれたことに興奮し過ぎてA様が手当をしてくださる前に意識を手放してしまいました

多分この人たち専用フォルダ作ってる→←気付かない及川であれ

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