好きな男子が雨宿りしていた。【爆豪勝己】 (ページ9)

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「や、めっ……」

「何で何で何で何で何で？どう？俺の個性。嬉しいなぁ、Aちゃんに感じて貰えるなんて」

コイツ、本当に狂ってやがる。

未だに麻痺が解けず、身動きを取れずにいると、男がとうとう衣服に手を伸ばしてきた

「ねぇ脱がせちゃダメ？」

「ダメに決まってんでしょ、手ぇ退けろ」

「Aちゃんのお願いだから聞いてあげたいけど……ダメーーー！残念でしたぁ、あははっ、あは、あははははは。ああ、楽しいね、楽しいよ、ねぇAちゃん」

楽しかねぇよ！

いつになったら麻痺解ける？

多分発動条件は目が合うこと。

あれ以来一切目を合わせてないから、そろそろ切れても可笑しくないけど。

「じゃあ横になろうかぁ……あはっ、ははははっ」

乱暴に私を地面に倒す

その瞬間、麻痺が切れた。

「っしゃ！」

これはもはや正当防衛、至近距離なら外すこともない。

「ああ、Aちゃん、綺麗だ、綺麗だよ。どうしたんだい？そんなに可愛い顔して……」

見事幻覚を見せることには成功したが、自分で見せている幻覚に吐き気が。

警察に通報しよう、と携帯を探すが、鞄の中に入れていたことに気づく

えー、どうしよう。

「流石にコレ放置は不味いし、今後の身の安全的にも警察につき出したいし……」

なんて考えていると、物凄い足音が聞こえた

いや煩いな足音。

って、こっち近付いてきて…？

「おい、クソ女！」

第一声がそれって、相変わらず彼らしい。

「なーに？慌てちゃって」

雨に濡れた彼は、いつもに増して格好よく見えた。