好きな男子が雨宿りしていた。【爆豪勝己】 (ページ7)

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「んん、なかなか手強い」

先程から近接戦闘をしているものの、なかなか倒せない。

というより、むしろ追い詰められてる。

「そりゃあ、大好きなだーい好きなAちゃんと遊ぶためだからさ。そりゃあ対策だって練るよねぇ。」

「そもそも、アンタ、三対一だしね」

「背中大丈夫？俺がやったことだけど、まだまだいけるか確認したくて」

外道かコイツら。

そんな奴等ですら、個性を使わないとまともに倒せないと言うのが悔しい。

爆豪なら、こんな奴等個性なくてもイチコロだろうな。

なんて、失恋した相手のことを頭に思い浮かべる。

「私も、爆豪みたいに強ければなぁ……」

「爆豪？」

ポロッと溢した言葉が、相手に聞こえていたようで、質問攻めを受ける

「ねぇAちゃん爆豪って誰？何者？彼氏？好きなの？爆豪って体育祭で一位だった奴だよね？あんな凶悪そうなのがイイワケ？ねぇ？アイツのこと好きなの？」

狂ったようにそう聞いてくる男に、うなずいて見せれば、本格的に狂い出した。

「有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ないこれはあれだよねAちゃんが聞かせてる幻聴でしょねぇ嫌がらせしないでよもし本当なら、俺が、Aの目覚ましてやるから」

そう言って、狂気に満ちた笑みを浮かべ、迫ってくる。

壁においやられ、顔を覗き込まれる。

目が合った瞬間、体が麻痺し始めた。

「は？あー、おい。俺達帰るからさ、今度違う奴見付けたらまた声かけてくれよ」

「Aちゃんだっけ？遊べなくて残念だよ。また機会があったら遊ぼうね」

機会なんて来なくて結構、さっさと帰れ。

文句を溢しながら帰った二人を見て、少し気が楽になった。

「これで、二人きり……」

まだ私にも勝機はあるわけだ。

まぁ、この麻痺した体をどうするか、だけど。