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「なんで？」
「……傷負わせたし、間に合わなかったし」
傷にしては私の弱さからだと言うのに、何故彼が謝るのか。
「謝るなんて、らしくないじゃん」
「俺だって謝罪くらいするわ、舐めんな」
「まぁ、ごめんが出来ないとか幼稚園児以下だしね」
そう言えば、背中に回していた腕に力を込めてきた爆豪
いや、痛いから、折れる折れる折れる。
「幼稚園児じゃこんな力出ねぇよ」
「何、怒った？」
「怒った」
何か今の爆豪は本当に子供みたいだな。
何て言ったら死にそうなのでやめますけど。
「ねぇ、そろそろ帰ろ？爆豪の親御さん心配しちゃうよ」
「……クソババアが、送ってけって」
「え？お母さんが？でも悪いし……」
そう断ろうとすれば、頭を叩かれる
「あんな事があったばっかだろ、注意力もねーのかよ」
「……じゃあ、一緒の傘に入る口実出来たね？」
「調子乗んな」
「じゃあ雨に濡れて下さい」
そう言って傘を広げれば、大きな舌打ちをして、隣に並んできた
「貸せ」
そういって傘を奪いながら。
「最初からね、これがしたくて爆豪に声かけたんだよ」
「目的達成して良かったじゃねぇか」
「紆余曲折ありまくりだし、副産物までついてきたけど」
ね？と笑いかければ、再び頭を叩かれる
頭叩くのがコミュニケーションだと思ってませんか？違いますよ？
「俺と付き合うことになったのを副産物扱いすんじゃねぇ」
「冗談だよ、ごめんって」
夜道には私達だけが歩いていた。
私達が見つめる先は、雨が降っている。
彼の手には、私達を雨から守る傘が一本。
お互いにゆっくりと近付いていく。
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作者名：ギリア。
| 作成日時：2018年5月20日 19時
