犬猿の二人 ―2― (ページ21)

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「まあ、女遊び激しいって感じだけど

多分誰かに恋したら

すごい一途なタイプだと思うな」

「てか、

なんで私と坂本さんが

そういうことになるのよ！」

「ありえなくはないでしょ？」

「私は俊哉いるから」

坂本さんだって、

きっと彼女がいるだろうし。

まあ、確かに坂本さんは

あずさの言うように、

週刊誌とかネットを見ると、

女遊びが激しくて、

サイテーな人に見えるけど、

会って話してみると

優しくて、おもしろいし

野球に対しては真面目で

普通にいい人だ。

「私は、俊哉くんより

坂本さんのほうがいいと思うけどなぁ」

「だから、ないって」

まだ、あずさは言ってる。

昔からあずさは、男女関係なく

人を見る目がある。

「なんか、Aが

ジャイアンツの担当になってから

坂本さん、いい意味で

喜怒哀楽が出てきたと思うんだよね」

「え？」

確かに、坂本さんは

喜怒哀楽がはっきりしてる。

「前は、気さくな感じだけど

とっつきにくいとこがあったからさ。

だから、記者相手に喧嘩なんて

あり得なかったんだけどね」