犬猿の二人

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7回裏の守備では、

巨人は、打者を一人抑えたが

次の打者にヒットを打たれた。


続く打者は4番だ。


1ボール1ストライクの

平行カウントとなったとき

1塁にいたランナーが走った。


坂本さんは、急いで

2塁のベースカバーに入った。


しかし、小林さんが投げたボールは

坂本さんのグローブではなく

顔面に直撃した。


小林さんのボールは、

丁度いい位置にいったはずだった。


坂本さんは、

その場に倒れこんでしまった。


「大丈夫ですかね？」


隣の八幡さんに

そう聞いた。


まだまだ、野球初心者の私は

あれがどれほど痛いかなんて

まったく、わからない。


坂本さんのもとに、

チームメートやトレーナーさんが

集まっていった。


そんな坂本さんは

鼻血が止まらないようだ。


「多分、鼻折れちゃったかもね」


「折れてるんですか！？」


八幡さんの答えに驚いた。

鼻折れたの？


「小林くんは肩がすごい強いから。

その球が、直撃してるからなぁ」


「そうなんですか」

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