化けの皮【fkr】 ページ2
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「Aさん、これやっといて貰っていい？」
「はい、了解です！」
周りからの評価はきっと、清楚で良い子。
愛想も良くて親しみやすい。
だけどほんとは。
「私、あんま君の事好きじゃないみたい。」
「は？」
「それだけ〜。あ、もう連絡してこないでね。
それじゃあね。」
男を作ってはポイする「女に嫌われる女」って感じ。
なんだかんだ言って、そんなに好きじゃないのに付き合っちゃうから、結果として続かないっていうのもあるけど。
まぁ、今日も懲りずに男を振ったその日に新しい男を探しに来てんのは、自分でもどうかと思うわ。
「あ、A来たー！遅いよ、何してたの？」
流石に男振ってきたとは言えないよなぁ。
だから今日も曖昧に濁すだけ。
「んー、まぁちょっとした用事ってやつ？」
「もう男性陣みんな来てるよ！早く座って！」
「はーい…」
中に入ると六人がけのテーブル席に、もうすでに男性が3人座っていた。
茶髪で見た感じ爽やかイケメンな人。
童顔で愛らしい感じの男子。
そして、眼鏡をかけた賢そうな人。
んー、女性陣の2人はきっと眼鏡の人にはいかないだろうなぁ。
2人とも賢そうなタイプ苦手だって言ってたし…
私も別に特にタイプってわけでもないし、やっぱり今日は収穫なしってことで帰ろうかな。
帰るための言い訳を頭の中で探しているうちに、もう男性陣の自己紹介が始まってしまった。
興味もないからそれとなく相槌を打ってその場をやり過ごしていたのに、眼鏡の人が自己紹介する直前、バチッと目があった。
「福良です。よろしくお願いしま〜す」
あれ意外とほんわかしてる？
声もなんだか可愛い感じだし、意外と好印象かも。
福良さんの自己紹介が終わった瞬間、再び目が合いゆるりと微笑まれた。
可愛い、なんか小動物みたいな…？
なんて、意外と良いかも。
次のターゲット見つけちゃったかもしれない！
そんな舞い上がってるところで、ポケットに入れていたスマホが細かく振動した。
嫌な予感がする。
通知の相手は今しがた別れたばっかりの元カレ。
やっぱりか…
「ちょっと出てくるね」
また席を立つ寸前、福良さんと目が合ったような。
んー、まぁ、気のせいか。
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作者名：只野飽き。 | 作成日時：2021年4月2日 20時
