〜File1〜旧校舎怪談2 ページ3
確かにそう、声が聞こえた
私以外の4人は同時に息を呑む、短いスタッカートのあと、はじけたように悲鳴が上がって渦になる。周章狼狽、阿鼻叫喚
私は声の主を知っているから、あー来た来たはいはいって感じ
両脇から恵子たちが遮二無二抱きついてくる
うぅっ…地味に苦しい
いつの間にか、真っ暗だった部屋の中に暗い明かりが入ってきていた
ドアの外、廊下にある非常灯の光が部屋の中に漏れてきている
振り返った入り口には、黒く人影があった。同じ年頃の男の子だ
薄暗い明かりで浮かび上がった壮絶に綺麗な顔。周囲の闇よりも暗い髪と目、似合いすぎる黒い服
やっぱり、そう強く思った
いつまで経っても動き出そうとしない皆の代わりに私は真っ黒な御仁に声を掛ける
『あの、今「6」って言ったの、あなたですか』
思いの外固い声が出てしまった、しかし
「そう」
そんなの意にも介さず彼は素っ気なく答える
静かな、よく通る声だった
ミチルが大きく息を吐いて、浮かしかけた腰を下ろす
「あー、驚いた。腰が抜けるかと思った……」
「それは失礼」
言って彼は照明を点けた
んー!!!うさんくせぇな本当に!
多分、そんな表情が顔に出たのであろう、麻衣に苦笑された
そんな私を置いて、話は進んでいた
どうやら明日もここ、視聴覚室にて怪談話をするということになったらしい
彼……あーっと、渋谷一也氏にメロメロな3人とは真逆に麻衣は胡乱げな目で渋谷氏を睨め付ける
麻衣ちゃんや、可愛い顔が台無しじゃ〜よ〜
でも警戒してる麻衣ちゃんも可愛い〜!
131人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梨花 - 更新大変でしょうが、いつまでも応援しています! (2019年11月28日 18時) (レス) id: f3674189e1 (このIDを非表示/違反報告)
りーさん。(プロフ) - 面白いです!!続き楽しみです♪ (2019年2月2日 1時) (レス) id: ea3558cf25 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き楽しみにしてます^ ^ (2018年12月28日 10時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アサヒ x他1人 | 作成日時:2018年8月11日 15時