【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】 (ページ19)

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～File1～旧校舎怪談18 ページ19

「だって、旧校舎を調べに来たって、今、言ってたじゃない」

あらら？こういうのって立ち聞きの一種じゃないのかなあ？
良くないと思うんだけどな

『霊能者じゃなくて、ゴーストハンターなんだって』

麻衣が黒田女史を訝しんで見ていたので代わりに答えた

黒田女史が眉をひそめるのと同時に、恵子が私の制服を乱暴に引っ張った
危ねぇですよ恵子さん

「何よ、それ」

『さあ？詳しくは知らない。幽霊退治人ぐらいの意味みたいだよ』

「霊能者とどう違うわけ？」

『だから知らないって。でも、高価なビデオカメラとか、機械とかを山のように使ってたから、霊能者ってムードじゃなかったなあ…むしろ研究者みたいな』

「へえええ」

感動したんだかなんだか分からない声を上げる恵子をよそに、黒田女史は少し考え込むようにしたあと

「谷山さん、設楽さん、あの人、紹介してくれない？」

「『は？』」

おや、麻衣とハモってしまった
でもまあ、こういう反応になるよね
何言ってんだコイツ、みたいな

「ほら、あたしにも霊能力があるじゃない？何かお手伝いできるかもしれないわ」

「はあ……でも、黒田さん、あいつにはもう会ってるでしょ？いまさら紹介なんて必要ないんじゃないかな。放課後、旧校舎に行けば会えると思うけど」

「それはそうだけど。でも」

『うんうん、それに、あんまりアイツには、関わらないほうがいいんじゃないかなあ』

「あら、どうして」

問い返してきた黒田女史の声には棘があった

「素人と話をするのは、嫌いだそーです」

「あたし、あなたたちほど素人じゃないわよ」

交互に相手するのも疲れたし、もう全部麻衣に丸投げで良いか

「はー。でも、ナルちゃんはプロだから。なんせ事務所の所長らしいし」

麻衣が言い切ると、背後からミチルが襟首を引っ張った
うっ…苦しそう

「ちょっと麻衣、ナルちゃんってなによ、親しそうに」

「ナルシストのナルちゃん。言っとくけど、あいつに夢を持ってるとガッカリするぞ。すっげー性格、悪いから」

「あの顔で？」

『顔と性格に関係があるの…まあ、アイツの場合はあると思うけどさあ。』

「そうそう、恐怖のナルシストくんだ。これからは、ナルちゃんと呼んでやって」

ミチルとのやりとりを終え、黒田女史の方を振り返ると、もうそこにはいなかった

クラスメイトの間を捜すと、いつの間にか自分の席に戻って、一人だけ教科書を広げている

麻衣が口を開けあんぐりしていた、かわいい…