【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】 (ページ15)

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～File1～旧校舎怪談14 ページ15

ナルちゃんの魔の手から逃げ延び、麻衣と私は悪戦苦闘しながらスチールラックを組み立てる

その間にもナルちゃんが次々と機材を運んでくる
マジでその力はどこから出てくるの…？

おかげであっという間に机の周辺は機材だらけになった
今度はラックに機材を収めていく
凄い壮観だなぁ……

「ねえ、これ、何？」

麻衣は机の上に据えた、ごつい機械を指差す

「テープレコーダー以外のものに見えるか？」

そりゃ確かに、見えませんがね、言い方、そしてカセットテープ式ではない、オープンリールのやつで、私はこんな実物を見るのは初めてだよ…

「なんでリールなの？せめてカセットのほうが便利じゃない？」

「カセットテープは録音できる音域に限界があるんだ。しかもそれは特殊な機械で、トラックを使い分けることで最長三十二時間まで録音できる」

『すごっ！一日ちょいも録音できるんですね…』

「でも、何を録音するわけ？そんなに長時間」

麻衣が何気なく訊いたならば、返ってきたのは見下げ果てたような視線だった
私は慌ててその視線をカット！

『麻衣！外のマイクが何のためにセットしてあったかは説明されたでしょ？それと一緒！』

「あー…同様に音を拾って録音しよう、と」

『そう、それ！』

「…まだ泊まり込みができるほど安全かどうかは分からない。だから今夜一晩、音を拾って様子を見てみる」

「石橋を叩いて渡るタイプなんだねえ」

「……うん？」

「だから、用心深いのね、って」

麻衣がニッと愛想笑いをすると、ナルちゃんは冷たい視線を寄越す
……何でこうも当たりが強いかな

「当然だ。ホーンテッドハウス―幽霊屋敷の中には、途轍もなく危険なものもある。下手に手出しすると、取り返しがつかない」

『もー、脅さないでくださいよ…』

「そっ、そーだよ！！―あっ、ねえ、これは？」

麻衣は、ビデオカメラにしては、やたらごたごた機械の付いた、ややこしそうな代物を示した

「素人とは話をしたくない」

そう来るか、私と麻衣が素人なんて、最初っから分かってることでしょうが
平凡な女子高生を脅して扱き使ってるのは誰よ

脅されてるのは麻衣だけなんですけどね
っと、興味津々な麻衣がしでかす前に、説明してあげますか～、ナルちゃんには勘繰られるだろうけど麻衣のためです

『私が教える！ええと、それは赤外線暗視カメラ、んで、こっちはサーモグラフィー、これが超高感度カメラ』

「ほほう」

ナルちゃんの訝しげな視線が突き刺さる
こわっ！