【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】 (ページ11)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:36,475 hit

～File1～旧校舎怪談10 ページ11

麻衣が語り終えると、渋谷さんは頷き、録音を止めて立ち上がった

「では、働いてもらおうか」

「あのう、旧校舎に行くんでしょうか」

「他にどこに行けと？」

『麻衣ってば、しっかりしてよ～』

「A……だってぇ…」

『だっても何もないよ、ほら、渋谷さん行っちゃうよ、行こう？』

「うう…はあい」

渋谷さんに着いて行けば、旧校舎の横手に停められている一台のバンのドアを開けているところだった

うひゃー…機材がいっぱい詰まってる～

「機材を運ぶ」

渋谷さんが宣言した

「機材って……これ？もしかして、これ全部、運ぶの！？」

「必要なだけ全部」

渋谷さんの答えは、にべもなかった

『すご…こんなにいっぱい使うんですね』

思わず感嘆の声を上げてしまった

「でもさぁ、こんなもんを何に使うの？第一、助手さんがいなくて、渋谷さんに使いこなせるんですかあ？」

麻衣が意地悪く聞いてやった時の、渋谷さんの眼つきときたら

「君とは頭の出来が違う」

断言。でも確かに、こんなにいっぱい使うんだから、麻衣とか私なんかとは頭の出来が違うんだろうね～

なんて思っていたら渋谷さんから指示が飛ぶ

「機材を運ぶ前に、マイクを回収する。来い」

「へい」

『はい』

返事をして渋谷さんに着いていく、するとそこにはマイクマイクマイクマイク……、沢山のマイクが

「マイクを外して集めてくれ。僕がスタンドを回収する」

「こんなマイク……何に使うの？」

麻衣が素直な疑問を口にしたら、渋谷さんからまたもや軽蔑の視線が飛んだ

「マイクは普通、音を拾うのに使うと思うが？」

「そのくらいのこと、あたしだって知ってらい、旧校舎は使われてないんだよ。なんの物音もしないのが普通だと思うんだけど？拾うべき音がないじゃん」

そう言った麻衣を見る渋谷さんの眼差しは、軽蔑を通り越して憐れむかのようだった
流石に麻衣が不憫だと思い、麻衣に話しかける

『麻衣、だからマイクを置いてるんだよ、ほら、物音がするはずないんだから、何か音がすれば可笑しいでしょ？』

「そっか！でも、だったらこんな戸外じゃなく、中に置けばいいんでないの？」

『んー…これは憶測でしかないんだけど、充分に調査をしてなくて安全確認がまだ取れてないから、建物の外から調査してるんじゃない？……合ってますか？』

渋谷さんに確認をする、間違ってたら恥ずかしい

「そう」

短く、渋谷さんが肯定の意を示す

良かった…