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Aの父親視点
妻は元々体が弱かった。
だから最初、僕らは子供を設けるつもりはなかったんだ。
だけどやっぱり時が経つに連れて彼女は母親になりたいと思うようになった。
二人で何度も話し合ったよ。
そのとき、僕が守りたかったものは彼女たった一人で、
他の何を捨てても失くしたくなかったから。
だけど普段通り買い物に出掛けたなんでもないある日に出会った女の子が、
そんな僕の気持ちを変えてしまったんだ。
売り場の隅で膝を抱えている小さな女の子。
えぐえぐと泣いてしまって何を言ってるのか聞き取りづらいけど、
根気よく話を聞いてみればこの子はどうやら迷子らしい。
妻は不安で泣きじゃくる女の子を抱き締めて、
大丈夫だよ、お母さんすぐ見つかるよ
だってお母さんも一生懸命あなたを探しているからね、って勇気づけていた。
徐々に泣き止んできた女の子に、
えらいね、強い子だねって ポケットの飴を差し出して、
二人は本当の親子みたいだった。
「おねーさん、おにーさん、ばいばーい！」
「もうママの手離しちゃだめだよー！」
しばらくして迷子センターに現れたその子の母親に
無事女の子を引き渡したけれど、
二人きりになった途端、
妻の目には安堵と達成感に混じって
少しだけ寂しさみたいなものが見えたんだ。
だから、気が付いたら口を突いて出てしまってた。
「あのさ、」
「うん？なあに？」
「…子供、望んでみようか。」
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綾鷹(プロフ) - 1203さん» ありがとうございます(;_;)泣いて頂きたいお話を書いていたので本当にうれしいです！ (2020年5月5日 23時) (
レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 美月さん» なんてうれしい…(´；ω；`)ありがとうございます！ (2020年5月5日 23時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 綺星さん» 最後まで読んで下さってありがとうございます！これは私も書き終わった瞬間何かスッと燃え尽きた作品なのでそう言って頂けると嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年5月5日 23時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
1203 - めちゃくちゃ泣いてしまいました。素敵な作品ですね。 (2020年4月4日 15時) (レス) id: bea00c8748 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - めちゃくちゃおもしろかったです。 とても感動しました。 (2020年3月27日 14時) (レス) id: 2c7dc2e191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾鷹
| 作成日時：2019年8月11日 7時
